☆面白い本を探している人に向けた記事
ひろゆき(著)「1%の努力」を読みました。
この記事は、本書に書いてあることで印象に残っていることを、私(こうよう)なりにまとめ、感想と合わせて書いています。
本書を読むか迷っている人や、次に読む本を探している人はこの記事を参考にしてください。
作品概要
1%の努力はひろゆき(西村博之)氏による2020年の書籍です。
本書は、2ちゃんねるの開設者であり、実業家でもあるひろゆき氏の、物事の考え方を自身の生い立ちやビジネスでの成功体験をもとに語っています。
本書タイトルの「1%の努力」も、著者の考えのひとつで、
「人類の努力は、ほぼ無意味だ。いくら人が頑張っても変えられることに限界があり、そういった努力は、何の影響も及ぼさないということだ。」ということらしいです。
それでも何もしなければ、何も変わらないということは事実であり、そのうえで、どう考えて、どう行動すればいいのかが書かれています。
感想
本書は、ひろゆき氏のイメージどおりの本です。
結構極端な考え方や、著者だからこそできたようなことを、当たり前のことのように書いています。
どっちかというと、共感できないことや、役に立たないと思われることの方が多いし、参考になることも多いという感じではありません。
それでも、その中には強く印象に残ったものもありました。
それら、「共感できる」「これは役に立つかも」「注意したい」と思ったことを、私(こうよう)の体験や考えを交えながら紹介したいと思います。
共感できる
まず始めに「共感できたことから」紹介します。
ひろゆき氏はいつも、あえて”逆張り”しているイメージでしたが、共感できることも意外と多かった印象です。
能力と努力が掛け合わされて、初めて結果が出る
これは実体験として感じています。
いくら頑張っても結果をだせないこともあれば、大した努力をしなくても結果がでてしまうことがあります。
そして大した努力だと感じていないのは自分だけだったりします。
要するに、好きなことや楽にできることであれば、努力は努力と感じないということです。
例えば何かを得るために本を読むとしても、読書が嫌いな人からすれば、それは努力して本を読んいると感じます。
しかし読書が好きな私(こうよう)からすれば、読書中は、ただ楽しい時間で努力をしているとは感じません。
「努力」だけでは「好き」に勝てないということでもあります。
(もちろん「好き」だけでもダメですが…。)
ビジネスで手っ取り早く成果を出すには「1%の努力」で結果を出せる分野を探すべきでしょうね。
比較対象がない方が人は幸せなんじゃないか?
これは私も常々思っていることです。
人と比較するからこそ、嫉妬を感じたり、今の自分が惨めに感じたりします。
しかし人との比較がすべて悪いとも思いません。
人に負けなくないという気持ちは力にもなりますし、自分に欠けているものや、自分の長所も分かったりします。
スポーツ選手なんかはこの力をうまく利用している印象です。
人との比較はうまく利用しないと悪い影響を及ぼします。
不動産業界は持ち家を持つことがステータスであるといい、ブライダル業界は結婚は素晴らしいといいます。
ファッション業界は、流行らせたいものをほめちぎり、それ以外を、時代遅れといって切り捨てます。
ほかにもこうあるべき、だとか、人は見た目とステータスがすべてであるかのような、最低のマーケティングをしている業界は数多くあります。
本来幸せなんてものは他者が決めた基準で感じるものではなく、自分自身の基準で感じるべきものです。
しかし、こういった一部の業界は自分たちの利益のために、消費者である我々の基準をずらそうとしています。
仕事でもそれ以外の生活でも悪い影響があると感じれば、疑いの目を持つことも重要です。
簡単に信じ込まず、比較するのはやめて、自分らしさに徹底するようにしたいものですね。
世の中はチョロいし、意外とちゃんと回っている
いろいろな職業体験をしましょう。
いろいろな体験をすればするほど、思った以上にテキトーにやっている人が多いことに気づきますし、案外テキトーにやってもどうにかなるということも多いです。
私もアルバイトをしていた時代は、みんなこんなにテキトーにしているけど大丈夫なの?と疑問に思っていました。
そして自分がアルバイトを雇う側の立場になってみて分かったのですが、アルバイトにそこまで求めていない、というのが真実です。
もちろんテキトーでいいとか、仕事をサボってもいいとまでは思いません。
テキトーでサボりがちなアルバイトを含めたメンバーで、どのようにして業務をうまく回すか考えているのです。
アルバイトは定期的に入れ替わることを前提にしている部分があり、アルバイトの個人を矯正するよりも、仕事の仕組みや仕事環境を変える方が効率がいい、ということです。
これを知っていることは、働く側、雇う側のどちらにとってもメリットですよね。
たくさんの仕事に携わることで、たくさんの知識と経験を蓄えることになります。
蓄積された知識と経験は仕事に対するハードルを下げ、いろいろなチャレンジが容易になりますよ。
求められていることは最低限やりつつ、いかに自分の楽しめるポイントを見つけられるか
働く上でのコツとして紹介されていました。
このコツのいいところは、誰も損しないということですね。
楽しんで仕事ができるということは、長く働けるということでもあり、それは働く側にも雇う側にも、双方のメリットになります。
お金のために我慢して仕事をしている、という人も多いかと思います。(というかそれがほとんどかもしれませんね。)
お金があればやりたいことができるから、我慢して仕事をしているわけです。
やりたいことって基本的には楽しいと感じることですよね。
ならば、仕事を楽しめたなら、それはもうやりたいことですよね。
ここまで言うとさすがに極端ですが、仕事に対するストレスは確実に減りますし、楽しむことで成果も出やすくなるはずですから。
もちろん仕事では、やらなければならないことが多くあるのも事実です。
その中でどう工夫して、どう楽しみにつなげるか。そういうことですね。
口八丁手八丁で伝えられるポジションは、おいしい
今、私(こうよう)が職場でいるポジションに近いです。
経営側と現場の両方の知識を活し、自分は両者の考えをうまく伝えさえすれば良いのです。
一般的に苦労が絶えないと言われている中間管理職的なポジションも、考え方と行動を変えればかなりおいしいポジションになるということです。
また、企業同士の間でも、複数の立場の仕事内容と考えを理解できる人は重宝されます。
私自身、現場のことは知識として知っているだけで、とても戦力になるレベルではありませんし、会社運営や組織をまとめるようなことも、できるような人間でもありません。
ただ、広く浅い知識と、現場と経営側の両方とコミュニケーションを密にとり、それをお互いに伝えているだけです。
そして、今後、現場にでることも経営に直接かかわることも、たぶんないと思っていますが、常に現場での新しい知識や、経営に関することは勉強し続けるようにはしています。
また、他業界と仕事をする場合でも同じです。勉強や相手のことや業界を知るための努力はしています。
これは先述した「求められていることは最低限やりつつ、いかに自分の楽しめるポイントを見つけられるか」から繋がっています。
私(こうよう)の楽しむポイントは”知らないことを知る”です。
仕事に直接関係ないことでも、気になるからと教えてもらったり、自分で勉強したりしていました。
かなり長い間、なんの役にも立っていなかったですが、それは自分の楽しみだったので、辛くとも何ともなかったです。
そして長く続けている間に、それを活かす機会は何度かあり、それが成果として認められたことによって、結果今のポジションにいます。
いろいろ噛み合ってラッキーだったと思っています。
今いるポジションを死守しようとまでは思いませんが、必要とされているうちは、このおいしいポジションでやりたいようにやらせてもらうつもりです。
本音が言える人、言ってはいけないことを言える人は、ポジション的に重宝される
さらにポジションの話ですね。
一歩間違えれば、ただの空気の読めない人になってしまうので注意が必要です。
ここで認められるには、実績が必要です。
ひろゆき氏の場合、2ちゃんねるやニコニコ動画の成功が実績となっていて、それが、そういった発言が許される要因のひとつでしょう。
ほかにも、なぜかよく分からないけど、許されるひとと許されない人がいたりしますよね。
そういう人は大体が、才能とか育ちの良さとか、一般人が持っていないものを持っているタイプなので、後からそういう人を目指すのはやめた方がいいと思います。
ただ、もしそういった能力を持っているならば、どんどん利用しましょう。
そのうえで実績まで伴ったらもはや最強です。
今の職場でそういったポジションの人がいなければチャンスかもしれませんね!
周りも案外そういう人を求めているかもしれませんよ!
いつだって、発信者は強い
これは経験したうえで同意できます。
私(こうよう)は0から1を生み出すことや、奇抜なアイデアを出すことをが苦手です(ほぼできないと言っていいくらいです)。
なのでアイデアはみんなに募集したり、誰かにそれ(0から1を作ることを)をお願いして乗り切っています。
そういったことから、仕事では仕切る側に回ることが多いです(それはそれで面倒なことも多いですが…)。
会議などで話し合って新しいことをやることになっても、仕切る側に回ればアイデアを出したり実際に作業をしなくてもそれをまとめたり指示したりするだけで、やっている感がでます。
しかもそれは皆に感謝されます。
私(こうよう)は、0からものを生み出すことや奇抜なアイデアを出せる人は天才だと思っています。
そして私は天才ではないので、そういったものは天才たちに任せています。
それに加えて、体力も能力(頭脳)もないので、実際に作業をこなすこともうまくできません。
なのでできることといえば、みんなの意見をまとめてみんなの頑張りをサポートすることぐらいなんです。
でも才能も頭脳も体力もなくても、意外となんとかなるものなんですよね。
一般的に欠点だと思われることを、あえてさらけだすと、成功率が高まる
これはいつも私(こうよう)がやっていることです。
例えば、自分より下の立場の人に話をする場合、どうしても偉そうになったりするかと思いますが、この技で乗り切っています。
いろいろな指示やアドバイスをした後に、それに関係がありそうな自分の失敗談も一緒に話します。
そうすることで、失敗に対する恐怖心が少しでも和らいで、チャレンジしやすくなればと思っています。
また、自分より上の立場の人との会話でも使います。
上司との会話では、自分の欠点や失敗談を話すことで、期待値を下げつつ、的確なアドバイスまでもらうことができるからです。
失敗談を活用することで、その失敗自体が、意味のある失敗に変化するのもオイシイです。
しかも失敗が大きければ大きいほど効果が高まるので、利用しない手はないですよ!
欠点についても、言ってしまえば楽になるし、自分が欠点だと思っていることが他人から見たら長所に見えてたなんてこともあったりします。
欠点をさらけ出すことや、失敗談を話すことは、本当にメリットしかない最強の技のひとつです!
これは役に立つかも
次に「これは役に立つかも」と思ったことです。
ひろゆき氏らしい、独特の視点でみた結果、一般人ではなかなか気づかないようなことが書かれています。
競争せずダラダラ過ごせる支え合いが大事
これは言われるまで気づきませんでした。
組織内で競争が起こると、それが足の引っ張り合いになったり、不正を働く原因になるということです。
勘違いして欲しくないのですが、これは現場に限ったことだけのことですね。
経営側が現状維持を望んだり、ダラダラしだすと途端に他社との競争に敗れてしまいます。
また最低限経営側が望むことを、現場がクリアしていることが条件に含まれています。
割と今所属している組織がこの感じなんですよね。
悪く言えば、経営側と現場の熱量が圧倒的に違って、誰も出世しようとしていません。
なので指示されたこと以上のことはやりませんし、上司の目が届かない場所ではサボる人も多く、上司もそれを知ったうえで黙認しています。
しかし、サボれるということは、余裕があることでもあるので、離職率もかなり低く、ミスもほとんど起こりません。
現場社員のストレスもないので、人間関係でのトラブルもなく、たまにちょっと無理を言っても、もとが余裕たっぷりなので、仕事に対する不平不満もほぼ出ません。
余裕があるので、先述した「求められていることは最低限やりつつ、いかに自分の楽しめるポイントを見つける」こともかなりやりやすいです。
もちろんすべてがうまくいっているわけではありませんが、かなり恵まれた環境であることは確かです。
いままで気が付かなかったことなので、今後は意識してみようと思いましたね。
大きな岩はなんだろう?それは修復可能か?
物事の優先順位の考え方のことです。
ツボにものを詰め込む際は、大きなものから入れていかないと、ツボにほかのものを入れる余地がなくなるよっていう話です。
ツボは自分のキャパシティで、自分にとって大事なものを岩、それ以降は優先度順に石→砂→水と考えることです。
そしてさらに、行動するか迷ったときには、それが修復可能なことかどうか、を判断基準に入れるということです。
例えば会議に参加していて、ほかの人に意見したい場合、誰かの間違いをしてきするようなことになり、恥をかかせてしまうかも、とか、逆に間違っていることを言って会議の進行の邪魔になったり、自分の評価が下がるかもしれないと思って悩んだとします。
その場合、誰かに恥をかかせることになってしまうならば、その後その人にフォローをすればいいし、自分の恥はその後の勉強や皆への貢献で挽回すればいいだけです。
なのでこの場合は修復可能と判断し、発言をするべき、となります。
逆にこの会議が他社を交えた超重要なものであれば、フォローや挽回の機会が少なく、この場合は、自分の失敗は修復不可となる可能性が高く、黙っているという選択になると思います。
ひろゆき氏は、ほかにも同じようなテーマの話で、明日やれることを今日やるな!みたいなことを言っていて、”らしさ”があって面白いですよね。
ツボと岩の話は有名ですが、修復の可否が物事の判断基準として重要だということをそこまで意識していなかったので目から鱗でした!
社会のニーズに合わせにいけるかは重要
自分の能力にニーズがある場所でないと成功するのは難しいです。
そのような場所を見つけることが大事だとよく言われます。
そのなかでも、ニーズに合わせに行くというのは盲点でした。
確かに、ニーズに合った場所にいってもそれで終わりではありません。
業界は常に変化を続けていて、現状維持だけでは必ず無理が出てきて、衰退します。
進化を続けていくことだけが生き残るただ一つの方法だと言われています。
進化するには、社会のニーズに自分が合わせることが必要不可欠です。
間違った方向に進化しても衰退が早まるだけですからね。
進化(対応)するためには常に社会のニーズを知る必要があり、情報源は多ければ多いほど良いと思います。
人は変化を恐れ現状維持を望むものです。
しかしとてつもない速さで移り変わる現代を生き延びるには、進化(変化)をし続けなければ現状維持すらままなりません。
簡単なことではないですが、生き残っていくためには必要なことなのです。
注意したい
最後に「注意したい」と思ったことです。
みんなが常識として知っていることで、私(こうよう)も知ってはいたけど改めて注意しようと思ったことを紹介します。
心の中で「これは環境のおかげだ」と思う
頑張って成功するとどうしてもそれが、自分の頑張りのおかげだと思ってしまいがちです。
成功しても「これは環境のおかげだ」と考えて周囲の人に感謝を伝えれば、さらにまた成長できます。
この人とは前提が違うんじゃないか?
自分と考え方や意見が合わない人には「この人とは前提が違うんじゃないか?」と考えるようしましょう。
さまざまな考え方を知ることは自分の視野を広げることに繋がります。
また、そうすれば、自分の意見を押し付けたり、イライラしたりすることも減るはずです。
努力を押し付けるのはやめよう
努力すれば必ず成功するなんてありえません。
他人に対して、この人は努力がたりないから、努力をしていないから、といった押し付けは何の意味もありません。
先述のとおり、努力を努力と感じるかどうかは個人の意識により違います。
努力して成功を目指すより、努力せず(努力と感じず)とも成功できる分野を探す、または導くことの方が重要です。
世界中どこでも、困ったときには、いい人が助けてくれる
いい人になる必要はないと思いますが、人助けは気持ちいいですよ!
助けてほしいと言われたら、助けてあげましょう。
助けてほしいときは助けてほしいと言いましょう!
助けを求めれば助けてくれる人は必ず現れます。
研究によって、親切な行いをすれば、セロトニンやドーパミンといった脳内物質が放出されることも分かっているので、遠慮なく相手を気持ちよくさせてあげましょう!!
ツラかったり、しんどい目にあったら、頭の中で「これ、絶対にあとで笑い話になる」と考える
「自分の不幸はネタになる」こう思うだけで、気持ちが逆転します。
人生は有限です。いやな気分を引きずるより、もっと楽しいことに目を向けましょう。
笑えないようなことでも、特別な体験は必ず人を大きく成長させます。
笑いになればそれでいいし、笑いにならないことでもそれは大きな糧になります。
大丈夫です。
あとがき的なものとオススメ度
ひろゆき氏は、”生存者バイアス”についても本書で語っています。
生存者バイアスのことを、戦地において100人の戦士のうち、生き残った1人が残り99人の代弁者となってしまうような事と本書では説明し、自己分析が必要な人はそういうものに惑わされがちだと言っています。
失敗した対象を見ずに、成功した対象が語る言葉を信じそうになる事象は、まさに本書もその対象で、ひろゆき氏だからこそ、と感じることがかなり多かった印象です。
それを意識して読んでも、一見すると結構説得力があるように感じて、ひろゆき氏は自身やその考えを正当化するのが本当にうまいと思いましたね!
みんな騙されるな!ひろゆきだからできたことだぞ!(笑)
ひろゆきはホントエンタメ向きで面白いね!
「1%の努力」のオススメ度は★2.5です!(満点が★5.0です)
ジャンルはビジネス書、自己啓発書にあたりますが、結構極端なことも書いてあって、すべてを鵜呑みにするのは危険だと思いました。
ある程度ひろゆき氏がどのような人物か知っている人で、それを含めて楽しめる人向けの本です。
こんな人にオススメ
・ひろゆき(西村博之)を知っている
・理解できないような考えもエンタメとして楽しめる
・視野を広げたい
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