☆戦争の恐ろしさと平和の尊さを感じる
もしアメリカで内戦が勃発したらどうなると思いますか?
社会は分断され経済は崩壊し、アメリカの人々は命の危機にさらされるかもしれません。
いや、それはアメリカ国内にとどまらず各国の政治や経済に影響が及び、世界中に混乱が広がることは避けられないでしょう。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」は、そのif(もしも)を描いた作品です。
アメリカで内戦が勃発する可能性については、現状ではかなり低いと考えられていますがゼロではありません。
本作はジャーナリズムの必要性や戦争の恐ろしさなどを伝えたいような作品だと思いますが、衝撃的で簡単に受け入れられるような内容ではありませんでした。
それに伝えたいことは果たして本当にそれだけなのでしょうか。
他にもなにかメッセージがあるような気がします……。
今回は「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の感想記事です。
作品概要
シビル・ウォー アメリカ最後の日は2024年の映画です。
「アメリカで内戦が勃発したら……」のif(もしも)を想定し、4人の記者を中心に物語は進んで行きます。
上映時間は1時間49分です。
感想
恐ろしいです。
人が狂っているます。
人を人だと思っていないようです。
簡単に人を殺しています。
死体と一緒に笑顔で記念撮影なんてマトモじゃない……!
ジャーナリズム
もしアメリカで内戦が勃発したら…。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」では、アメリカの混乱を描いています。
そこには、内戦に怯え混乱する人たちはもちろん、内戦を見ないふりして日常を送ろうとしている人もいました。
戦争は悲惨で目をそむけたくなります。
見ないふりをして日常を送っている人たちも、それはしょうがないことですよね。
だって自分たちにはどうすることもできないんですから。
とはいえ、見て見ぬふりをしていることが必ずしも悪いわけではありませんが、それでも自分たちにできる何かを探すことも、無力感を乗り越える手段となるはずです。
物語の中心となる4人の記者も、そういった部分が少しはあったのかもしれません。
記者たちが、戦場にいる理由はさまざまですが、4人からは何か強い意志のようなものも感じましたから。
しかしその意思は、自己の欲求を満たすための責任感や使命感なのか、目撃者として興奮を味わうためなのか、それとも本当に人道的な意識で戦争の悲惨さを伝えて社会への呼びかけを行うためなのか……
その本当のところは本人にしか分かりません。
しかし戦場記者は、とても危険で過酷な仕事であり、彼らの背後には多くの覚悟や強い信念があることは間違いありません。
そして彼らの報道が戦争を止める直接的な力になることは少ないかもしれませんが、自らの行動が戦争を終わらせる一助になると信じて活動している部分は少なからずあるはずです。
戦場で働く記者たちの勇気と犠牲には、深い敬意を表するべきだと思いました。
Alex Garland. (Director). (2024). Civil War [Film]. A24.
狂った人たち
戦争は人をおかしくします。
簡単に人を殺しすぎです。
死体と一緒に笑顔で記念撮影なんてマトモじゃないです。
でも人をそんな風に変えてしまうのが戦争です。
戦争の中で日常的に暴力を目の当たりにしたり、自分の命が危険にさらされたりすると、心のバランスを崩します。
しかも戦争では(本来は望まない)他人を傷つけたり殺したりすることを求められます。
そんなことを続けていて人としてマトモでいられるわけがありません。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」では兵士も、それ以外の民間人も狂っているような様子が描かれています。
過酷な状況、経験や選択が積み重なり、感情が鈍感になったことにより、人々に無情な行動をとらせているようでした。
Alex Garland. (Director). (2024). Civil War [Film]. A24.
そして戦場にいる記者たちが変わっていく様子も描かれていました。
彼らも始めは、強い使命感や社会的責任を感じていたのが、次第に自身の好奇心や挑戦心を満たすために戦場にいるようにもなっているのでは?と思わされる行動が見え始めます。
私から見れば、戦場にいる記者たちは少し無謀すぎるように思えます。
もちろん彼の行動は賞賛に値しますが、それでも……ちょっと、やっぱり普通ではありません。
戦争が人を狂わせます。
そんな狂った人たちの中に身を置くのはやはり危険すぎます。
それなのに戦地へ赴く記者たちもやはり狂ってしまっている(狂い始めている)ように見えました。
Alex Garland. (Director). (2024). Civil War [Film]. A24.
まとめとオススメ度
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」は、そのif(もしも)を描いた作品です。
戦争が起きればどうなるか、そんなの頭の中では分かっています。
でも実際に見せられると、かなり衝撃的で、ほんとうに恐ろしいものだと改めて感じました。
戦争で起きる大きな狂乱は、見ていて楽しいものではありません。
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」はフィクションで現実ではありませんが、しかし現実として、実際に戦争が、今も世界のどこかで起きているのも事実です。
私たちが普段何気なく過ごしているこの平和な日常は、実はとても尊く貴重なもので、自分たちがいかに恵まれた環境にいるのかを改めて実感しました。
恐ろしい現実を知ることは苦しいことですが、それを知った上で、今の平和を大切に思い、感謝し、それを次世代に繋いでいこうとする姿勢が、きっと未来への希望につながるのだと思います。
戦争の恐ろしさと同時に、平和の尊さを感じました。
忘れがちだけど、平和の価値を思うこともとても大切だよね
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のオススメ度は★3.5です!(満点が★5.0です)
リアリティのある映画でした。
そのリアリティが心に響くのですが、かなり暴力的で衝撃的な場面もあるので注意が必要です。
映画としてのエンタメ性とメッセージ性のバランスが良くて見やすいと感じました。
こんな人にオススメ
・考えさせられるような映画が見たい
・心に響く作品が見たい
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