『僕の小規模な奇跡』鈍感男と無愛想な彼女、成長の先に見えた未来【書籍レビュー】

「あなたのこと全く好きではないけど、付き合ってもいいわ。その代わりに、わたしをちゃんと守ってね。理想として、あなたが死んでもいいから」

――こんな奇妙な条件を彼女からもらったら、あなたはどうしますか?

そう、これが入間人間の『僕の小規模な奇跡』の出発点。

読んでみると、この言葉が持つ意味と物語が進むにつれて明かされる深さに、次第に引き込まれていきます。

最初は主人公の鈍感さにちょっとイラッとしたりもしますが、物語が進むごとに、「あれ? これ、もしかして自分のことを考えさせられる話じゃないか?」と感じる瞬間が訪れるはずです。

さて、この物語が一体どんな話なのか、さっそく紹介していきましょう。


オススメ度について
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作品概要

作品名僕の小規模な奇跡
著者入間人間いるまひとま
ジャンル日本文学
発行日2012/10/31
ページ数402ページ
読み終えるまでの目安6時間13分

物語は主人公である“僕”が、奇妙な条件で告白されるところから動き始めます。

「あなたのことが全く好きじゃないけれど、付き合ってもいい」――

そんな言葉に込められた意味とは一体何なのでしょうか?

彼女との奇妙な関係が始まり、そして主人公は次第にその思いを理解し、成長していくことになります。

しかし、その成長には試練もあり、物語が進む中で彼女や周囲の人物との関係性が深く絡み合い、予想外の展開を見せます。

この作品の一番の魅力は、登場人物たちの成長と、それぞれが持つ複雑な心情を描くことにあります。

主人公の純粋すぎる行動、彼女の冷徹な言動、そしてその間で揺れ動く心情に共感しながら、自分自身を見つめ直すような気持ちになること請け合いです。


作品から学べる教訓・人生観(感想)

①人は影響を与え合う

さて、この作品から何を学べるのでしょうか?

ひとつ言えることは、「他人の行動が自分の人生にどんな影響を与えるのか?」という点です。

主人公の「僕」が持つ純粋な気持ちや行動は、周りの人々に大きな影響を与えます。その行動が結果として、彼自身を成長させる大きな一歩となるわけです。

最初、主人公の鈍感さには正直イライラすることもあるでしょう。

「そんなに素直でいいのかよ!」と思ってしまうかもしれませんが、物語が進むにつれてその「素直さ」こそが、彼の成長に大きく寄与していることに気づくはずです。

②それぞれの価値観

また「人それぞれの価値観」にも触れることができます。

妹や彼女、さらには周囲の登場人物たちが持つ考え方や生き方が、それぞれに違っていて、その違いが物語に厚みを加えています。

どんなに価値観が異なっていても、それぞれが持っている「人生のハードル」の高さが、最終的に成長に繋がる――

これは、この作品を通じて得られる重要な教訓です。

③自分らしく生きることの大切さ

そして、「自分らしく生きることの大切さ」も教えてくれます。

主人公は最初、他人の期待や周囲の状況に翻弄されがちですが、最終的には自分の道をしっかり歩むようになります。

この過程は、自己成長を求める全ての読者にとって、非常に響く部分だと思います。


なぜこの作品がオススメなのか

誰かの行動が、自分の与り知らない形で世界を変える。
その波紋のおこぼれに与って、俺たちは一喜一憂する。

入間人間(著)僕の小規模な奇跡 より引用

①自己成長をテーマにしたストーリー

この作品をオススメする理由のひとつが 「自己成長をテーマにしたストーリー」 ということ。

主人公の成長を描く物語は多くありますが、この作品はその成長がとてもリアルに、そして感情的に描かれています。

彼の純粋さや鈍感さに共感しつつも、物語が進むにつれて自分自身が成長する瞬間に出会うことができます。

②人間の複雑さ をリアルに感じる

登場人物の心情が細かく描かれており、 「人間の複雑さ」 をリアルに感じることができることも魅力的。

これは読んでいるうちに、周囲の人々と自分を重ね合わせることができる部分でもあります。

だからこそ、共感や反省を通じて、物語に深く没入することができるのです。

③人生の哲学的な問いも

物語全体に流れる 「人生の哲学的な問い」 も大きなポイント。

自分がどこに向かって進んでいるのか、そして自分をどう成長させていくのか。

その問いが物語を通して問いかけられるので、読後に「自分の生き方について考え直す」ことができるかもしれません。


総評・まとめ

『僕の小規模な奇跡』は、最初の鈍感な主人公に少しイラっとしつつも、その成長を見守ることで得られる充実感が大きい作品です。

物語を通じて、自己成長や人生観について深く考えさせられるので、哲学的な要素が好きな方には特にオススメです。

登場人物たちの複雑な心情や価値観の違いを描くことで、ただの恋愛物語では終わらない奥深さを持っています。

結局、物語が進むにつれて「それが幸せだよね」と思える瞬間が訪れるのも、この作品の魅力のひとつです。


僕の小規模な奇跡』のオススメ度は⭐2 です

独特な魅力があるが、好みが分かれる作品。
刺さる人には刺さるはず!


こうよう
こうよう

個人的には、物語の進行が少し遅く感じる部分もありましたが、最終的にはその「冗長さ」が後半の説得力に繋がったと感じました。
しかし、登場人物に共感できない部分があったり、鈍感な主人公の行動がどうしても理解しづらいと感じる方もいるかもしれません。

パン
パン

全体的には良作だけど、万人にオススメできるかは少し難しいところだね。


こんな人にオススメ

  • 自己成長を望む人
  • 人間関係の複雑さに共感できる人
  • 哲学的な問いや人生観について考えるのが好きな人


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