【2025年6月版】Kindle Unlimitedで読める!全巻読み放題の完結済みシリーズ小説5選

電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」は、月額980円(税込)で対象の書籍が好きなだけ読める、読書好きにはたまらないサービスです。

小説・ビジネス書・雑誌・マンガなど幅広いジャンルが揃っており、「ちょっと気になってたけど買うほどでは……」と思っていた本にも気軽に手を伸ばせるのが魅力です。

ただし、Kindle Unlimitedの対象書籍は定期的に入れ替わります。

昨日まで読み放題だった本が、今日には対象外になっていた……

ということも珍しくありません。

特にシリーズ作品の場合、読みかけで対象外になってしまうと非常に困るという読者も多いはず。

そこで今回の特集では、全巻がKindle Unlimitedの読み放題対象(2025年6月現在)完結済みのシリーズ作品という条件を満たす作品から、私のオススメ作品を厳選しました。

ジャンルは医療ミステリーから歴史ファンタジー、青春もの、ホラーまでバラエティ豊か。

きっと気になる1冊が見つかるはずです。

なお、紹介する作品は来月には読み放題対象から外れる可能性があります

少しでも「読んでみようかな」と思ったら、まずはダウンロードしておくことを強くおすすめします

それではさっそく、各作品を順に紹介していきます!


\初めての登録なら30日間無料/

『田口・白鳥シリーズ』海堂尊

◆ 作品概要

『田口・白鳥シリーズ』は、医療をテーマにしたミステリー作品で、作家・海堂尊の代表作です。シリーズ第1作『チーム・バチスタの栄光』は2006年に刊行され、映画・ドラマ化もされたベストセラー。全9巻(スピンオフを除く本編)で完結しており、医療×謎解き×社会派ドラマが楽しめる傑作シリーズです。

主人公は、神経内科医でお人好しの“田口公平”と、厚生労働省の変人官僚“白鳥圭輔”。この凸凹コンビが、医療現場で起こる不審死や不正、システムの闇に立ち向かっていく構成で、巻を重ねるごとに深みとスケールが増していきます。

◆ 読みどころ

医療現場のリアルな描写

著者の海堂尊は、現役の医師でもあります。そのため、医療用語や制度、病院内の人間関係、手術の描写などが極めてリアル

医療ドラマや小説を多く読んでいる人でも、ぐっと引き込まれる“本物感”があります。

同時に、読み手が理解しやすいよう工夫されており、専門知識がなくても問題なく読めるのもポイントです。

コンビの掛け合いがクセになる

田口は内向的で優柔不断、一方の白鳥は破天荒で毒舌――

まるで“現代版シャーロック&ワトソン”のようなこのコンビのやりとりは、シリーズの大きな魅力。

事件のシリアスさとは裏腹に、彼らのテンポの良いやり取りにクスッとさせられる場面も多く、読みやすさとエンタメ性が両立しています。

◆ 全9巻で広がる“桜宮サーガ”の世界

シリーズは9巻で完結していますが、実は本作は“桜宮サーガ”と呼ばれる、著者の他作品とも世界観がリンクした構造になっています。

まずはこの田口・白鳥シリーズを読むことで、桜宮サーガの入り口に立つことができ、読み応えと拡がりのある読書体験が可能です。

  • 第1作:『チーム・バチスタの栄光』
  • 第2作:『ナイチンゲールの沈黙』
  • 第3作:『ジェネラル・ルージュの凱旋』 など…

1冊ごとに事件は完結しつつ、シリーズを通じて登場人物の関係性や医療制度の問題が深堀りされていくため、長編としての満足度が非常に高いです。

◆ Kindle Unlimitedで読むポイント

2025年6月現在、シリーズ全9巻すべてがKindle Unlimitedで読み放題対象となっています。

医療ミステリーに興味がある方、社会派小説が好きな方には特におすすめ。

映像作品から入った方も、原作でしか味わえない深みがありますので、この機会にぜひ一読を!


もくじに戻る


『東大理三の悪魔シリーズ』幸村百理男

◆ 作品概要

『東大理三の悪魔シリーズ』は、東大理三(東京大学理科三類)という超エリートの頭脳を持つ主人公が、倫理や道徳を超えた“悪”を知性で実行するという、異色の知的サスペンス小説です。

全3巻で完結しており、テンポよく読めるのに読後は重く深い余韻が残る、現代的なテーマを含んだ作品です。

タイトルにもある「悪魔」は、人の命や社会のルールをも冷徹に操作しようとする圧倒的知性の象徴。

読者はその“悪魔”の知略と、それに翻弄される人間たちの姿を追いながら、倫理と理性、感情と計算のせめぎ合いを目撃することになります。

◆ 読みどころ

「理三」ならではの超論理的思考

「理三」は日本最難関の受験を突破した者だけが進む東大の医学部進学課程。

その主人公が感情や共感を超えた思考で行動するため、作中の展開は非常に知的で論理的です。

犯罪や事件の計画も徹底的に合理的で、まるで数学の証明のように淡々と、しかし冷酷に描かれます。

その一方で、読者としては「それで本当にいいのか?」というモヤモヤや葛藤を抱えながら読み進めることになるため、物語に強く引き込まれる構造になっています。

善悪の揺らぎを描く心理ドラマ

このシリーズでは、「善と悪の境界がいかに曖昧か」が重要なテーマになっています。

「正しいこと」とは何か?「悪いこと」とは誰が決めるのか?

そんな問いが読者に投げかけられ、価値観を揺さぶられます。

登場人物たちが“悪魔”の存在にどう向き合い、抗おうとするのか――

そしてその過程で崩れていく人間関係や心の変化が、サスペンス以上の心理小説としての深みを生んでいます。

◆ 全3巻でコンパクトに完結

全3巻という短めの構成ながら、1冊ごとに異なる事件とドラマが展開され、最終巻で物語は見事に完結します。

巻数が少ないため、週末や数日で読み切ることも可能。

にもかかわらず、内容は濃密で、一気読みしたくなる展開と、じっくり考えさせられるテーマのバランスが絶妙です。

初めての人でもとっつきやすく、それでいて読後には確かな読書体験が残る、まさに“掘り出し物”のシリーズです。

◆ Kindle Unlimitedで読むポイント

2025年6月現在、全3巻すべてがKindle Unlimitedで読み放題対象です。

知的サスペンスや心理ミステリーが好きな方はもちろん、「短編では物足りないけど長編を追う時間がない」という方にもぴったりのバランス。

“東大理三の悪魔”というインパクト抜群のタイトルに惹かれたら、その知性の裏側をぜひ覗いてみてください。


もくじに戻る


『宿神』夢枕獏

◆ 作品概要

『宿神(しゅくじん)』は、『陰陽師』シリーズや『餓狼伝』などで知られる夢枕獏が描く、歴史ファンタジー×怨霊譚(えんりょうたん)の傑作です。

舞台は平安末期、源平の争いが激化する時代。人々の心に潜む“怨念”や“執着”が、時に人を超えた存在となってこの世に災いをもたらす――

そんな時代に生きる武士たちの戦いと運命が描かれます。

全4巻で完結しており、現代小説としては珍しく*古典のような重厚な筆致”が味わえる作品です。

タイトルの「宿神」とは、魂に宿る因縁や、命に背負わされた宿命を意味し、本作のテーマそのものでもあります。

◆ 読みどころ

歴史×霊的世界の融合

夢枕獏は、歴史と霊的世界の融合を得意とする作家。

本作でも、実在の人物である平将門や源義家らをベースにしながら、霊的なエネルギーや怨念によって動く“もう一つの歴史”が描かれています。

合戦だけではない、言葉にできない“見えないもの”の戦い――

それはまさに「怨霊合戦」とでも呼ぶべき物語で、読者は歴史の裏側に潜む“情念のドラマ”を目撃することになります。

静と動の美学

『宿神』では、激しい戦や暗躍する怨霊だけでなく、静かな佇まいの美しさも印象的です。

自然の描写、武士の沈黙、祈りの場面――

一つひとつの言葉が研ぎ澄まされており、読むごとに心に染み渡るような余韻を残します。

特に、登場人物たちが己の「宿命」にどう向き合い、抗い、時に受け入れていくか。

その内面的な描写には、夢枕獏ならではの哲学的・宗教的な深みがあり、読者に深い感情の波をもたらします。

◆ 全4巻で完結する壮大な歴史絵巻

『宿神』は全4巻と中編のボリュームですが、物語世界は非常にスケールが大きく、“1冊1冊が濃密な文学作品”のように仕上がっています。

速読よりも、ゆっくり言葉を味わいながら読むのに適した作品で、古典や歴史文学が好きな方には特におすすめです。

また、登場人物の多くが実在の人物であるため、物語を楽しみつつ、日本の歴史についての理解も深まるという嬉しい側面もあります。

◆ Kindle Unlimitedで読むポイント

2025年6月現在、全4巻すべてがKindle Unlimitedで読み放題対象となっています。

普段、ラノベやエンタメ寄りの作品が多いKindle Unlimitedの中では、異彩を放つ重厚な歴史文学です。

“読書体験としての深み”を求める方には、まさにぴったりの1冊です。


もくじに戻る


『リングシリーズ』鈴木光司

◆ 作品概要

『リングシリーズ』は、日本ホラーの金字塔ともいえる作品群であり、作者・鈴木光司が描く現代と超常の境界をえぐるサイキックホラー小説シリーズです。

最初の作品『リング』(1991年刊行)は映画化され、貞子というキャラクターが国民的恐怖の象徴となりました。

シリーズは『リング』から始まり、『らせん』『ループ』『バースデイ』『エス』『タイド』の計全6巻で完結しており、単なるホラーの枠を超えた科学・哲学・生命論を含む壮大な物語へと発展していきます。

◆ 読みどころ

都市伝説が現実になる恐怖

シリーズ第1作『リング』では、“呪いのビデオテープ”という現代的かつ身近なメディアを使った恐怖演出が、読者を一気に引き込みます。

「見た者は7日後に死ぬ」というシンプルな設定ながら、謎の連続死、記録に残らない病死、そして“貞子”の正体を追う展開には、背筋が凍るような緊張感が張り詰めています。

この現実と非現実が地続きに描かれる構成は、「もしかして自分にも起こるかも…」という錯覚すら抱かせる臨場感を生み出しています。

ホラーからSF、そして哲学へ

『リング』→『らせん』→『ループ』と物語が進むにつれ、ジャンルは単なるホラーから、医学サスペンス、バイオSF、そしてメタフィクション的な哲学物語へと変貌していきます。

特に『ループ』以降では、現実世界の“構造”そのものを疑わせるような視点が登場し、シリーズ全体の印象を一変させます。

ホラーとしての入り口を持ちながら、読み進めることで知的好奇心や思索欲求を刺激してくれる作品へと昇華されていくのが、このシリーズの真骨頂です。

◆ 全6巻で多層的な物語が完結

全6巻というボリュームの中に、「恐怖」「謎解き」「科学」「生命」「存在」というさまざまなテーマが織り込まれています。

初期のシンプルなホラー要素から、後半の哲学的展開まで、読めば読むほど視点が変わっていくシリーズ構成になっており、1冊では終わらない奥深さがあります。

「ただ怖いだけのホラーじゃ物足りない」「長く続く物語の変化を楽しみたい」という方には特におすすめです。

◆ Kindle Unlimitedで読むポイント

2025年6月現在、シリーズ全6巻がKindle Unlimitedで読み放題対象になっています。

特に『リング』だけ読んだことがあるという方も、この機会にシリーズ全体を通して読むことで、作品世界の本当のスケールやテーマの深さに驚かされるはずです。

貞子の“怖さ”の奥にある“物語の意味”を、ぜひ原作で体感してみてください。


もくじに戻る


『電波女と青春男』入間人間

◆ 作品概要

『電波女と青春男』は、日常系×青春×少し不思議(セカイ系)の要素が絶妙に混ざり合ったライトノベル作品です。

作者は『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』などで知られる入間人間(いるまひとま)。

本作は全11巻(本編10巻+短編集1巻)で完結しており、柔らかな文体とユーモアに包まれた読後感が魅力です。

物語は、高校生・丹羽真(にわ まこと)が、電波な言動をする自称・宇宙人の美少女「藤和エリオ」と出会うところから始まります。

彼女は真の叔母の娘で、なぜか布団にくるまって生活している変わり者。

そんな彼女との交流を通じて、真の“平凡な青春”が少しずつ変化していきます。

◆ 読みどころ

ふんわりと浮遊するような世界観

本作の最大の特徴は、現実と非現実の境目があいまいな“浮遊感”のある雰囲気です。

藤和エリオは自分が宇宙人だと語りながらも、その言動の裏には精神的な傷や過去の事件があることが徐々に明かされていきます。

登場人物たちはみな少しずつ“ズレ”を抱えており、それを否定せずに受け入れながら青春を過ごしていく様子は、現代の若者の不安定な心情をやさしくすくい取っているかのようです。

等身大の青春と優しい視点

“中の下”を自認する主人公・丹羽真の、あくまで冷静で人間臭い視点が読者を安心させてくれます。

彼の語り口にはユーモアと皮肉があり、どこか軽妙。

その中に、「人をどう受け入れるか」「自分が世界にどう関わっていくか」というテーマが自然と染み込んでおり、等身大の青春小説として非常に完成度が高いです。

エリオとの関係はもちろん、個性的なクラスメイトや家族とのやりとりも魅力的で、読めば読むほどキャラに愛着が湧いてきます。

◆ 全11巻でじっくり描かれる成長と変化

『電波女と青春男』は全11巻の長編構成で、ゆるやかながら確実に登場人物たちが成長していきます。

特に終盤では、エリオの変化や真の内面の成長が描かれ、物語は見事に収束していきます。

1巻ごとに完結したエピソード形式になっているため、空いた時間に少しずつ読み進めるのにも最適です。

◆ Kindle Unlimitedで読むポイント

2025年6月現在、全11巻すべてがKindle Unlimitedの読み放題対象です。

一時期は一部巻のみ対象だった時期もあったため、今まとめて読めるのは貴重なチャンスです。

「癒されたい」「でもちょっと切ない物語が読みたい」という方にはまさにぴったりのシリーズ。

心をふわっと優しく包んでくれる、そんな読書体験が待っています。


もくじに戻る


📚 まとめ

ここまで、5つのシリーズをご紹介させていただきましたが、もう一度ご紹介した作品をおさらいします。


海堂尊『田口・白鳥シリーズ』

医療ミステリー

全9巻(本編7巻+番外編2巻)


幸村百理男『東大理三の悪魔シリーズ』

知的サスペンス

全3巻


夢枕獏『宿神』

歴史ファンタジー

全4巻


鈴木光司リングシリーズ』

ホラー/SF

全6巻


『電波女と青春男』入間人間

青春/セカイ系

全11巻(本編8巻+番外編3巻)


さいごに

いずれも一度は話題になった作品、あるいは知る人ぞ知る良作ばかりです。

ただし、Kindle Unlimitedの読み放題対象は毎月変動します

少しでも気になる作品があれば、まずは端末にダウンロードしておくのがおすすめです!


こうよう
こうよう

来月も、ジャンルやテーマを変えておすすめ作品を紹介する予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

パン
パン

それでは、素敵な読書ライフを😊


もくじに戻る



\初めての登録なら30日間無料/

コメント

タイトルとURLをコピーしました