もしアメリカで内戦が勃発したら、世界はどうなるのでしょうか?
経済の崩壊、社会の分断、そして無秩序な暴力……。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、そんな「もしも」の世界を圧倒的なリアリティで描いた作品です。
本作のテーマは戦争の恐ろしさだけではありません。
戦場に身を置く記者たちの信念、狂気、そして倫理観が揺らぐ瞬間まで、徹底的に描かれています。
戦争映画としての緊迫感はもちろん、ジャーナリズムとは何か、人間とは何かを問う、重厚な一本。
エンタメ作品として楽しめるかといえば、正直「重すぎる」と感じる部分もあります。
しかし、その衝撃こそが、本作の最大の魅力であることは間違いありません。
オススメ度について
このブログでは、映画や書籍のオススメ度を5段階で評価しています。
各評価の基準については、こちらでご確認いただけます。
作品概要

作品名 | シビル・ウォー アメリカ最後の日 |
監 督 | アレックス・ガーランド |
主 演 | キルスティン・ダンスト |
公 開 | 2024年 |
ジャンル | 戦争、アクション |
上映時間 | 109分 |
権威主義的な大統領に反発し、連邦政府から19の州が離脱。
テキサスとカリフォルニアが西部同盟を結成し、政府軍と内戦状態に突入したアメリカ。
混乱する国の実態を記録するため、4人の戦場記者が最前線へと向かう。
しかし、彼らが目にするのは、人々の狂気、暴力、そして戦争の果てに残る虚無だった。
作品から学べる教訓・人生観(感想)

①ジャーナリズムの意義と危うさ
本作の主人公は、戦場に身を置く4人の記者たち。 彼らの目的は「戦争の真実を伝えること」。
しかし、その動機は本当にそれだけなのか? という疑問が浮かびます。
- 信念のもとに戦場へ赴く者
- 名声やスリルを求める者
- ただ使命感に突き動かされる者
記者たちは、戦争の悲惨さを伝える役割を果たす一方で、その光景に慣れ、次第に「戦場にいること」そのものに囚われていきます。
極限状態では、人間の倫理観すら揺らぐ。
この映画は、それを記者たちの行動の変化を通じて巧みに描きます。

②狂気が支配する世界
戦争は人を狂わせる、とよく言います。
本作では、その「狂気」が強烈に映し出されます。
- 死体と一緒に笑顔で記念撮影をする兵士
- 無差別に銃を乱射する民間人
- 生き残るために躊躇なく人を撃つ子ども
こうした描写の数々が、戦争という極限状況がどれほど人間を壊してしまうのかをまざまざと見せつけます。
「人間がここまで変わってしまうのか……」
そう思わずにはいられない場面の連続。
本作は、ただ戦争の悲惨さを描くだけでなく、「狂気の伝染」をリアルに描いています。

なぜこの作品がオススメなのか(理由)

①リアリティのある映像表現
本作はハリウッド映画によくある派手な演出ではなく、ドキュメンタリーのような視点で戦場が描かれます。
また戦闘シーンは荒々しく、恐怖を感じるほどの没入感ありました。
②単なるエンタメ作品ではない
物語の主軸は「戦場記者の視点」。
ただ戦うだけの映画ではなく、「なぜ戦争が起きるのか」「人はなぜ狂うのか」を深く掘り下げています。
③戦争の本質を考えさせられる
「戦争は悲惨だ」と頭で理解していても、それを視覚的に突きつけられることで、より実感がわきます。
見終わった後、戦争とは何か、自分にできることは何かを考えずにはいられないはずです。
総評・まとめ

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、戦争の恐ろしさと狂気をこれでもかというほどリアルに描いた作品です。
戦場記者たちの視点を通じて、戦争の悲惨さとそれに慣れてしまう人間の恐ろしさ、そして情報を伝えることの意味 を深く考えさせられます。
決して「楽しい映画」ではありません。
しかし、心に深く突き刺さる映画であることは間違いありません。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のオススメ度は⭐3 です!
特に強いクセはなく、気軽に楽しめる良作。
ただし、人によっては物足りなく感じることも。

暴力描写が衝撃的すぎるで、気軽に楽しめる作品ではないし、メッセージが重くて人によっては受け入れがたい部分があります。

戦争映画としてのリアリティが圧倒的でただのエンタメじゃなく、深いメッセージ性があるのも事実だよね。
こんな人にオススメ

- 戦場記者のリアルな姿に興味がある人
- 戦争映画を通じて社会の現状を考えたい人
- シリアスで重厚なストーリーを求める人
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、単純なアクション映画や気軽に楽しめるエンタメ作品を求めている人には向きません。
でも、観る価値はある映画です。
戦争の恐ろしさと、人間の狂気をここまでリアルに描いた映画はそう多くありません。
気になる方は、ぜひ一度観てみてください。
コメント