☆読者の想像力が試される
突然家中がドアだらけに!?
さまざまな世界が混じり合ったせいで、女子高生・ミヤが住む世界とミヤの日常はめちゃくちゃになります。
ミヤは世界を治すためにドアの向こうから現れたシュリンと妹のチサと一緒に、ドアの向こうの異世界に向かいます。
ただし異世界に行くのは基本は土日だけ(あとは、たまに平日の放課後とか)。
ミヤたちが行くドアの向こうの異世界もむちゃくちゃになっていて……
『DOORS』はハチャメチャで軽いノリのSFコメディです。
作品概要
『DOORS』は神坂一によるライトノベルです。
全2巻で完結していて、
1巻『DOORS Ⅰ まぜこぜ修繕屋』が2007年9月1日に、
2巻『DOORS Ⅱ 新たなる敵を修繕せよ!』が2008年6月1日に発行されています。
主な登場人物は主人公のミヤ、そのミヤの妹であるチサ、それにドアの向こうから現れたシュリンです。
ミヤとシュリンは世界が変わったことを認識していていますが、チサは変わった部分は何となくわかっている程度です。
ミヤの感覚は読者は基本的にと同じなので、ミヤの驚きや違和感を読者はミヤを通じて感じることになります。
感想
自由奔放な作品です。
物語に意味やきちんとした展開を求めるような人よりもとにかくその場のノリを楽しめるようなタイプの人のほうが楽しめると思いました。
もちろん、まったく無意味だとか、まったく考えなしのストーリーではありませんが、著者が書きたいように書き始めて、終わらせたくなったから終わらせた。
そんな感じです。
想像力が試される
ちゃくちゃです。
わけが分かりません。
あえて描写を詳細にしすぎず、想像力を刺激するスタイルです。
挿絵も基本的にはミヤとチサとシュリンの表情だけで、ほかの登場人物や風景はほとんどありません。
あくまで必要最低限の情報は提示しつつも、ぼんやりとした曖昧さを残すことで、読者自身の想像でで物語の世界を補完する作り方をされているようでしたね。
そしてその曖昧さによってよって物語には不思議な雰囲気が漂っています。
それに加えて、登場人物たちも「完全に語られない過去」や「謎めいた動機」があるっぽい感じで、キャラクターに深みを与えています。
こういった、想像力を掻き立てるような小説なので、読み終えた後も物語の余韻が長く心に残る感じがありました。
とは言いつつも「作者がテキトーに書いているのでは?」とも思わずにはいられません。
しかし『DOORS』は、やはりそれ自体も楽しむような作品なようでした。
大丈夫です。私もよくわからず書いていますから。
とゆーかよんだ人の想像力に挑戦?神坂一(著)DOORSⅠ あとがきより
普通のありがたみ
主人公・ミヤは世界がおかしくなる前の記憶を持っているので読者の気持ちを代弁してくれます。
ミヤの気持ちは読者の気持ちなので、物語に自然と感情移入してしまいます。
未知の世界や不条理な状況に対するミヤのリアクションは、まるで読者自身がその場に立たされたかのような気持ちにさせます。
「元の状態を知っている」からこそ、ミヤは「異常」に対して違和感や驚きを見せるわけですが、それが読者の気持ちを代弁してくれているんですよね。
逆に、妹のチサがその「普通」を忘れている振る舞いを見せることで、物語から不気味さと、普通のありがたみを感じるようでした。
ミヤが「普通」を基準に反応し続けるからこそ、チサやドアの向こうに広がる異世界の異質さが際立つ構造になっていて、ミヤの「世界を元に戻したい」という気持ちにもすごく共感できるんですよね。
やっぱり「普通」は大事だとゆー話ですよ。
神坂一(著)DOORSⅡ あとがきより
あとがき的なものとオススメ度
作中でミヤがいちいち大げさに驚くんです。
(「ぐがぎょぉぉぉぉぉんっ!?」とか言います。)
でもミヤのリアクションって、確かに「大げさ」に見ますけど、実際にあの状況に置かれたら絶対に同じ反応をすると思うんですよね。
ミヤが何かに驚いたり焦ったりするたびに、「いや、これはミヤだけじゃなくて自分もそうなる!」と共感しつつも、そのリアクションはコミカルで笑ってしまいます。
著者がまるで「読者も驚け! さぁ、ミヤと一緒にこの状況を楽しもう!」と誘っているようで、そこが『DOORS』の遊び心と面白さに繋がっているようでしたね。
ほんとうに『DOORS』からは著者・神坂一氏の「やりたい放題・好き放題」という感じがとても伝わってきます。
普通の作品ならありえないようなことでも、「いや、ミヤ(読者)を驚かせればいい!」という感じで物語が進んでいくので、読んでいる側も「あれ、どういうこと!?」と驚かされながら、気づいたらその世界観に引き込まれてしまうんです。
よく分からないと思いますが、大丈夫です。読んだ私もよく分かりません。
『DOORS』はそんな作品です。
とまあそんな感じで、このDOORSではわりと好き放題をやらせてもらいました。
神坂一(著)DOORSⅡ あとがきより

わけ分かんないけど面白かったです。

考えるな!感じろ!
「DOORS」のオススメ度は★3.0です!(満点が★5.0です)
ストーリーや設定に特別な面白さはありませんが、その場のノリと勢いで楽しく読むことができます。
作者の悪ノリを見ているような感じですよ。
こんな人にオススメ
・面白い小説が読みたい
・軽いノリの小説が好き
・意味は分からなくても面白ければいい
コメント