☆そろそろブレイクしそうなコンビの人の本
「武士は食わねど高楊枝」
武士はお腹がすいていても、まるでお腹がいっぱいのように楊枝を高々とくわえて見せておかなければならないという、武士の高潔さやプライドを表した言葉です。
誰しもこだわりや譲れないものがあると思います。
人によっては食事や住居のような生きることを犠牲にしてでも、自分の生き方としてそれを第一にしている、なんてこともあります。
(まだ)売れていない芸人のヤーレンズ出井氏にとってのこだわりは、コーヒー(それと芸)です。
今回はヤーレンズ出井(著)「芸人食わねど高コーヒー」の感想記事です。
本書を読むかどうか迷っている人や次に読む本を探している人の参考に、この記事を楽しんでいただけたら幸いです。
作品概要
芸人食わねど高コーヒーはヤーレンズ出井氏による2021年の書籍です。
本書は「売れてない芸人(金の卵)シリーズ」の1冊です。
「売れてない芸人(金の卵)シリーズ」とは芸人の生き様と個性が大爆発する電子書籍シリーズです。
本書では出井氏の半生と芸人としての思いが語られています。
ちなみに2021年当時、売れていなかった芸人であるヤーレンズ出井氏は2023年のM-1グランプリで準優勝を飾り、ブレイクの兆しを見せています!
感想
芸人さんらしいセンスの良い言葉選びと、小気味の良い文章でサクサク読めました。
出井氏のセンス
私(こうよう)はお笑いに疎く、ヤーレンズを知りません。
2023年にM-1グランプリで準優勝したことももちろん知りませんでした(優勝したコンビも知りません)。
しかし、文章にはセンスもあるし、短い文章でもちゃんと伝える力を感じました。
本書には出井氏の生い立ちと芸人になるまでのことも書かれています。
自分のことを、特筆すべき過去もプロフィールもないと書いているのですが、それを面白おかしく読者に読ませる文章にしているのは、完全に芸人としてのセンスですよね。
出井氏が愛するコーヒーを交えながら、要所で漫才のようなボケとツッコミのような感じで書かれている文章は面白く、飽きずに読み進めることができます。
彼が大学でつるんでいた友達や、東京で出会った芸人の人たちは、彼の目線からみた感想を聞く限りとても面白いです。
目線と表現で物事をこんなに面白く感じることができるのは、すごいと感じました。
やっぱり芸人になって、しかも本も書けるような人はセンスがあるんですね。
逆に面白い
本書は「売れてない芸人(金の卵)シリーズ」です。
売れてない芸人が書いているからこそ感じる面白さや説得力があるように思えました。
一般的に本は、成功者が書いています。
その分野で、成功したり結果を出した人が、その理論やノウハウを世の中に伝えるために書かれているものが多いです。
その逆を行っているのが本書でそれは新鮮で面白味を感じました。
世の中には”まだ”成功者にはなっていない人が多くいます。
そういった人たちからすれば、”まだ”売れていない出井氏に共感できることも多いでしょう。
私(こうよう)も彼の悔しい気持ちにはとても共感できました!
売れてない(成功していない・結果を出していない)人が何を言っても説得力がないように思えるかもしれませんが、出井氏の絶対に売れてやる!という気持ちは伝わってきましたし、彼はいつか必ず売れるような気もしました。
だって面白いから…!
あとがき的なものとオススメ度
芸人の世界は「面白い=売れる」ではないんですね。
私(こうよう)から見れば、求められる場所に行けばすぐにでも売れそうだと思いますけどね。
ただそれが出井氏が求める「売れる」なのかどうか分からないし、出井氏にとって重要なことのような気もしますから、そう簡単なものではないんでしょう。
そして、前述のとおり、ヤーレンズ(出井氏)は2023年のM-1グランプリで準優勝を飾っていて、今にも「売れそう」な状態みたいですね。
「売れる」の定義がよくわかりませんが、私(こうよう)のようにお笑い芸人に疎い人でも、誰でも知っているような芸人さんになれば、これは確実に「売れている」といってよいでしょう!
本書巻末(ほんとのほんとに最後)に、出井氏による「予言」が書かれていますが、それが現実になる日も近いかもしれません!
芸人さんの本はどれも文章が面白くて好きです!
今後のヤーレンズに注目だね!
「芸人食わねど高コーヒー」のオススメ度は★3.0です!(満点が★5.0です)
芸人さんの本らしく、センスの良い言葉選びと文章がテンポよく書かれています。
内容も重くないので、気軽に読めます。
こんな人にオススメ
・ヤーレンズ(出井氏)のファン
・エッセイが好き
・文章にセンスがある本が読みたい
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