母の日は、日頃の感謝を伝える大切な日です。
花を贈ったり、一緒に食事をしたりと、さまざまな過ごし方がありますが、今年は映画を観ながら「母」について改めて考えてみるのはいかがでしょうか?
母をテーマにした映画には、親子の絆や愛情、時には葛藤を描いた感動的な作品が数多くあります。
母の強さや優しさに涙したり、母親の意外な一面に驚いたり……。
映画を通じて、「母」という存在の奥深さを感じられるはずです。
今回は、そんな母の日にぴったりの映画を5作品ご紹介します。
戦時中の家族の絆を描いた感動作から、母親たちの奮闘をコミカルに描いた作品まで、バラエティ豊かなラインナップを揃えました。
きっと、あなたの心に響く作品が見つかるはずです。
『母べえ』(2008年)
戦時下の家族愛を描く感動作
監督 | 山田洋次 |
出演 | 吉永小百合、浅野忠信、檀れい、志田未来 |
公開年 | 2008年 |
ジャンル | ドラマ |
物語の舞台は、戦争の影が色濃くなりつつある昭和初期の日本。
主人公の野上佳代(吉永小百合)、通称「母べえ」は、夫の滋(坂東三津五郎)と二人の娘とともに穏やかな日々を送っていた。
しかし、ある日、夫が治安維持法違反の疑いで逮捕されてしまう。
夫を信じて耐えながら、母べえは娘たちを懸命に育てる。
そんな彼女を支えるのは、夫の友人である山崎(浅野忠信)や親戚たち。しかし、戦争が激しさを増すにつれ、彼女の生活もますます厳しくなっていく……。
それでも母べえは、愛する娘たちを守るために、決してくじけることなく生きていく。
「母」の強さと愛を描く感動作
『母べえ』は、戦時下という過酷な状況の中で、家族を守ろうとする母の姿を描いた感動的な作品です。
夫を失い、社会の圧力にさらされながらも、佳代は母としての責任を果たそうと奮闘します。
その姿は、観る者の胸を打ち、改めて「母の強さとは何か」を考えさせられます。
また、本作は山田洋次監督による細やかな人間ドラマが魅力の一つ。
昭和初期の日本の暮らしや、当時の社会情勢がリアルに描かれており、戦争がもたらす家族への影響を痛感させられます。
母の日にこの映画を観る理由
母の日に『母べえ』を観ることで、「母親の愛の深さ」や「親子の絆」について改めて考えることができます。
また、日常の何気ない幸せがどれほど尊いものなのかを感じさせてくれる作品でもあります。
家族で観るのはもちろん、一人でじっくりと味わうのもおすすめです。

『母と暮せば』(2015年)
亡き母が語る愛と別れ
監督 | 山田洋次 |
出演 | 吉永小百合、二宮和也、黒木華 |
公開年 | 2015年 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
1948年、長崎。助産師として働く伸子(吉永小百合)は、3年前の原爆で息子・浩二(二宮和也)を失っていた。
しかし、ある日突然、浩二が彼女の前に現れる。
母と息子は、まるで生きていた頃のように語り合い、懐かしい日々を思い出す。
しかし、浩二はすでにこの世の人ではない。
彼の存在を感じながら、伸子は戦争の悲しみや喪失感と向き合い、やがて前を向いて生きていこうとする――。
母と子の深い愛、そして別れの物語
本作は、井上ひさしの戯曲『父と暮せば』の姉妹作として制作されました。
『父と暮せば』が広島を舞台に「父と娘」の物語を描いたのに対し、『母と暮せば』は長崎を舞台に「母と息子」の物語を描いています。
原爆で息子を失った母と、幽霊として現れた息子。
二人の会話を通じて、戦争の悲しみ、愛する人を失うことの苦しみ、そしてそれを乗り越えて生きることの意味が静かに語られます。
浩二の存在は、母・伸子にとって「生きる力」となり、同時に「過去との決別」でもあるのです。
母の日にこの映画を観る理由
『母と暮せば』は、母親の深い愛と、親子の絆の尊さを改めて感じさせてくれる作品です。
特に、「親が子を思う気持ち」と「子が親を思う気持ち」の交差する瞬間に、強く心を打たれるでしょう。
また、戦争というテーマを通じて、家族が共にいられることの奇跡や、平和の大切さについて考えさせられます。
母の日に、この映画を観ながら、母との思い出を振り返ってみるのもよいかもしれません。

『こんにちは、母さん』(2023年)
優しさに包まれる親子の物語
監督 | 山田洋次 |
出演 | 吉永小百合、大泉洋、永野芽郁 |
公開年 | 2023年 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
東京の下町に住む母・福江(吉永小百合)のもとに、都会で忙しく働く息子・昭夫(大泉洋)が久しぶりに訪れる。
仕事に追われ、家庭でもうまくいかず、疲れ果てた昭夫だったが、久しぶりに会った母は以前とは少し違っていた。
派手な色の洋服を着て、新しい趣味を楽しみながら、毎日を明るく過ごす福江。
そんな母の姿に戸惑いながらも、次第に昭夫は彼女の生き方を理解し、自分の人生を見つめ直していく。
母と息子の、心温まる時間が静かに流れていく……。
現代社会における「親子の距離感」
本作は、山田洋次監督が手掛けるヒューマンドラマで、「親と子の距離感」がテーマの一つになっています。
現代の多忙な社会の中で、親との関係が希薄になってしまっている人は多いでしょう。
しかし、福江と昭夫の関係を通して、「親はいつまでも親であり、子はいつまでも子である」という普遍的な真実を優しく伝えてくれます。
また、吉永小百合が演じる母・福江のキャラクターは、従来の「母親像」とは少し異なります。
家事や子育てに追われるのではなく、自分自身の人生を楽しみながらも、息子を静かに見守る姿は、新しい母親のあり方を示しているようにも見えます。
母の日にこの映画を観る理由
『こんにちは、母さん』は、母親に感謝を伝えるだけでなく、「親子の関係を見つめ直す」きっかけを与えてくれる作品です。
忙しい日々の中で、親と過ごす時間の大切さを改めて感じることができるでしょう。
母の日に、お母さんと一緒にこの映画を観ることで、自然と会話が生まれ、思い出話に花が咲くかもしれません。
普段なかなか素直に言えない「ありがとう」を伝えるきっかけとして、この映画を選んでみてはいかがでしょうか?

『バッドママ』(2016年)
母親だって自由に生きたい!

監督 | ジョン・ルーカス |
出演 | ミラ・クニス クリステン・ベル キャスリン・ハーン |
公開年 | 2016年 |
ジャンル | コメディ |
エイミー(ミラ・クニス)は、仕事も家庭も完璧にこなそうと奮闘する、まさに“理想的な母親”。
しかし、日々の忙しさに追われる中で、ついに限界を迎えてしまう。
「もう完璧なママでいるのは無理!」と決意した彼女は、同じようにプレッシャーを感じているママ友のカーラ(キャスリン・ハーン)、キキ(クリスティン・ベル)と共に、「バッドママ(ダメな母親)」として自由に生きることを決意。
PTAの支配的なボス・ガブリエラ(クリスティナ・アップルゲイト)とのバトルや、育児のプレッシャーから解放される瞬間の解放感が満載。
果たしてエイミーたちは、本当の意味で「最高のママ」になれるのか?
コメディの中にある「母親のリアル」
『バッドママ』は、コメディ映画ながら、多くの母親が共感できるテーマを扱っているのが特徴です。
「完璧な母親でいなければならない」というプレッシャーに疲れた女性たちが、自分らしく生きることの大切さに気づいていくストーリーは、多くの人にとって身近な問題を描いています。
エイミーたちの大胆でハチャメチャな行動は笑いを誘いますが、その裏には「母親も一人の人間であり、時には息抜きが必要だ」というメッセージが込められています。
特に、仕事と家庭のバランスに悩むワーキングマザーや、育児に追われて自分の時間が持てない母親にとって、心に響くシーンが満載です。
母の日にこの映画を観る理由
母の日といえば、感動的な作品を観るのもいいですが、たまには思い切り笑える映画でリフレッシュするのもアリです。
『バッドママ』は、母親の大変さをユーモラスに描きつつ、「母親だって自由に楽しんでいい!」というメッセージを届けてくれます。
母の日に、お母さんと一緒に観れば、「ママもたまには休んでいいんだよ!」という気持ちを伝えられるかもしれません。
忙しい毎日を送るお母さんに、笑いと共に「リラックスする時間」をプレゼントするのも素敵ですね。

出典:『バッド・ママ』
『ステージ・マザー』(2020年)
母の愛が奇跡を起こす
監督 | トム・フィッツジェラルド |
出演 | ジャッキー・ウィーヴァー ルーシー・リュー エイドリアン・グレニアー |
公開年 | 2020年 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
メイベリン(ジャッキー・ウィーヴァー)は、テキサスに住む保守的な女性。
ある日、長年疎遠だった息子リッキーの突然の死を知る。
リッキーはサンフランシスコでドラァグクイーンとして活躍していたが、母親であるメイベリンはその生き方を理解できず、距離を置いていたのだった。
息子の遺したナイトクラブを訪れた彼女は、そこで息子の友人たちと出会う。
最初は戸惑うものの、リッキーの仲間たちと関わるうちに、次第に彼らを支え、クラブを立て直すことに力を貸すようになっていく。
やがて、メイベリン自身も変わっていき、愛と理解の大切さに気づいていく――。
母の愛が生み出す奇跡
『ステージ・マザー』は、親が子を理解すること、そして「ありのままの自分を受け入れること」の大切さを描いた感動作です。
メイベリンは、息子の生き方を受け入れられず、長年心を閉ざしていました。
しかし、息子の死をきっかけに彼の世界を知り、彼の愛した人々と関わる中で、少しずつ「母親」としての自分を取り戻していきます。
また、ドラァグクイーン文化というユニークな要素が、本作の魅力をさらに引き立てています。
華やかでエネルギッシュなショーのシーンは観る者を魅了し、LGBTQ+の人々が直面する問題や、家族のあり方について考えさせられる内容になっています。
母の日にこの映画を観る理由
母の日に『ステージ・マザー』を観ることで、「母の愛の深さ」や「親子の関係の変化」について改めて考えることができます。
親と子は、必ずしもいつも分かり合えるわけではありません。
しかし、お互いを理解しようとする気持ちがあれば、関係は変わっていくのです。
また、この映画は「母親もまた成長する存在である」ことを描いています。
親子の関係は一方通行ではなく、母もまた子から学び、変わることができる――
そんなメッセージが込められています。
母の日に、お母さんと一緒に観るのはもちろん、自分自身が親子関係を見つめ直す時間を持つのもよいかもしれません。

出典:『ステージ・マザー』
🎬 まとめ

母の日は、母親への感謝を伝える特別な日。
プレゼントや食事も素敵ですが、映画を一緒に観ながら、ゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。
今回紹介した5作品は、それぞれ異なる視点から「母」という存在を描いています。
感動の涙を流したり、大笑いしたり……
それぞれの映画が「母の日」にぴったりのメッセージを届けてくれます。
紹介した映画のまとめ
『母べえ』
戦時下で家族を守る母の強さと愛
『母と暮せば』
亡き息子と過ごす母の切なくも温かい時間
『こんにちは、母さん』
現代に生きる母と息子の距離感と優しさ
『バッドママ』
完璧じゃなくても大丈夫!母親の自由を肯定するコメディ

『ステージ・マザー』
母の成長と、愛が生み出す奇跡
映画を楽しむ母の日の過ごし方
母の日に映画を観るなら、こんな過ごし方はいかがでしょうか?
①お母さんと一緒に映画鑑賞
→ 普段なかなか話せないことも、映画をきっかけに自然と会話が生まれるかもしれません。
②遠く離れたお母さんに映画をおすすめする
→「この映画、きっとお母さんが好きそう!」とメッセージを送るのも素敵なプレゼントになるはず。
③自分の時間にじっくり映画鑑賞
→ 親子の関係を見つめ直す時間として、一人でゆっくり映画を観るのもおすすめです。

映画を通じて、改めて母の愛に気づき、感謝の気持ちを伝える。
そんな母の日を過ごしてみてはいかがでしょうか?

ほかにも母の日にオススメの映画があったら、ぜひコメントで教えてね😊
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