谷川流(著)【涼宮ハルヒの直観】ネタバレなし感想

小説

☆ミステリ初心者にぜひ読んでほしい

 「涼宮ハルヒ」シリーズ最新刊「涼宮ハルヒの劇場」が2024年11月29日に発売されることが決定しましたね。
良い機会なのでシリーズでまだ未読だった「涼宮ハルヒの直観」を読みました。
 次に読む本を探している人、「涼宮ハルヒの直観」を読むか迷っている人はこの記事を参考にしてみてください。

作品概要

 涼宮すずみやハルヒの直観ちょっかん谷川流たにがわながる氏による2020年の小説です。
「涼宮ハルヒ」シリーズとしては第12巻にあたります。
 「涼宮ハルヒ」シリーズは、第1巻「涼宮ハルヒの憂鬱」が2003年に発売され、その後、9巻までは年1巻~3巻程度のペースで発売されていましたが、10巻以降は発売までに間が空くようになりました。
 9巻から10巻・11巻(前後編同時発売)までが4年、それからさらに12巻(本書)の発売までは9年です。
9年たって新刊を発売できるのってホントにすごいことですよね!

 「涼宮ハルヒの直観」には3つの物語が収録されています。
・短編「あてずっぽナンバーズ」
・中編「七不思議オーバータイム」
・長編「鶴屋さんの挑戦」
の3編です。

感想

 懐かしい気持ちで読み始めましたが、だんだんいろいろな事を思い出して、長編を読んでいるときには完全に作品に入り込んでいました。

月日は流れに流れ…(読む前に思ったこと)

 「涼宮ハルヒの憂鬱」の発売が2003年なので、なんと発売から21年もの歳月が流れています。
当時はまだ学生だった私(こうよう)も、立派なおじさんです。
 また、最後に「涼宮ハルヒシリーズ」を読んだのは「涼宮ハルヒの驚愕(前・後)」です。
発売日が2011年で、初回限定版を書店で購入し読んだ記憶があります。
なので、最後にシリーズに触れてから約13年が経っています。
 そしてやっと、今回新刊発売に合わせて重い腰を上げた次第です。
果たして今の感性でも楽しめるのか期待と不安が半々でした。

懐かしい…(あてずっぽナンバーズ)

 あてずっぽナンバーズは初詣のお話です。
内容はただのSOS団の日常といった感じでしたが、久しぶりに読んだせいで、とにかく感慨深かったですね。
 読み始めはキャラ設定など内容を結構忘れている感じがあったので、楽しめるか不安でしたが、その不安も最初だけで、読み始めたらどんどん当時の記憶がよみがえってきました。
短編自体は本当に他愛のないものなのですが、そうそうこんな感じだった!とずっと懐かしい気持ちでいっぱいでした。
キョンの一人称による独特でちょっとくどい語り口は相変わらずで、ほかのメンバーもいつも通りで…ちょっと感動しちゃいました。

受ける印象が変わって…(七不思議オーバータイム)

 七不思議オーバータイムはミステリー研究会(通称:ミス研)の女子を交えた、実に”涼宮ハルヒシリーズ”らしいお話でした。
しょうもないことを真面目に考えているところが最高です。
こういうバカみたいなことを真面目に考えるっていう”学生あるある”には、懐かしさも感じました。
 キョン、小泉、長門、みくるちゃんのお約束的な描写は鉄板でやっぱり面白いです。
当時と変わらず今読んでも楽しめることに感激しましたし、やっぱ「涼宮ハルヒ」シリーズは面白くてすげえや!
って思いましたね!

SOS団のみんなと一緒に…(鶴屋さんの挑戦)

 鶴屋さんの挑戦はすっごい好みのエピソードで滅茶苦茶面白かったです。
ある日の放課後、文芸部の部室に集まったSOS団(と七不思議オーバータイムでも登場したミス研女子)が鶴屋さんからメールによる謎解き挑戦を挑まれるお話です。
 このお話が”涼宮ハルヒシリーズ”らしいかどうかも、ライトノベルらしいかどうかはよく分かりませんが、ミステリー初心者の私(こうよう)にとってはとても面白かったですね。
ちょっと難しいと思っていた本格ミステリーの世界について、涼宮ハルヒの世界観を通すことで、とても分かりやすく面白いものにしていると思いました。
読んでいるときは、読者である私もSOS団のみんなと一緒に考えてる感じがあってとても楽しかったです。
そして、謎解きが難しくて分からなくても、全然嫌味がなくて、読んでいてとても気持ちが良かったですね!
ミステリーの楽しみ方とミステリー好きの人の気持ちがよく分かりました!!

 しかも涼宮ハルヒの直観の全体の流れは1冊の本で読むとエピソードや展開にもちゃんと意味があって、最後はちゃんと”涼宮ハルヒシリーズ”として成立させているのはさすがだと思いました。


あとがき的なものとオススメ度

 短編を読んだ時点では、懐かしさがゆえの面白さかと思いましたが、中編を読んでいき、さらに後編を読んでいる頃には懐かしさに関係なく、単純に面白さを感じていました。
長編は結構ボリュームがありましたが、一気に読んでしまったくらいです。
 ”涼宮ハルヒシリーズ”を初めて読んだ学生時代の私(こうよう)は作品に魅了され見事にハマりました。
今の私と当時の私、おじさんと若者…この両方を楽しませることができる”涼宮ハルヒシリーズ”は本当にすごいですね。
(単に”感性が成長していないだけ”という可能性もありますが…!)

 読み始めた当時は同世代だったSOS団のメンバーも、今となっては親子ほどの年齢差があります。
彼ら彼女らを見ていると、とても懐かしく微笑ましい気持ちになりました。
 斜に構えた感じで素直じゃないキョンも、ちょっとうざいと感じていたはずのハルヒも、あざと可愛い先輩みくるちゃんも、高校生にしては大人びている小泉も、無口で表情を表に出さない長門も…
あいらしくてとてもいとおしい存在に思えました。

こうよう
こうよう

独特の文章はそれだけで”ハルヒっぽい”感じがして、もうそれは一つのジャンルになってさえいると思います。「涼宮ハルヒの劇場」楽しみですね~!

 「涼宮ハルヒの直観」のオススメ度は★4.0です!(満点が★5.0です)
 昔シリーズ読んだことがある人はもちろん、アニメや漫画でハルヒシリーズに触れたことがある人にも読んでもらいたい1冊です。アニメや漫画にはない(表現できない)小説ならでは面白さがありますよ!
 そして、私(こうよう)のようにシリーズから長らく離れていた人にもぜひ読んでほしいです!

パン
パン

ミステリー初心者の人には特にオススメだね!!

 

こんな人にオススメ

・涼宮ハルヒシリーズに触れたことがある(アニメ、漫画含む)

・涼宮ハルヒシリーズ読んだことがある

・ミステリー初心者

コメント

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