☆毎日に感謝を
日日是好日は「にちにちこれこうじつ」と読みます。
意味は文字通り、「毎日が素晴らしい」という意味がありますが、ほかにもいろいろな教えが込められているとも言われています。
映画『日日是好日』は茶道を通じて日々の中にある小さな幸せや人生の深い意味を見つけることがテーマになっている映画です。
毎日の忙しさに追われていると、自分の周りに感謝の気持ちを抱くことを忘れてしまいがちです。
でも、映画『日日是好日』はそんな日常の中にこそ、小さな幸せや大切な瞬間があることを教えてくれます。
茶道は一つ一つの所作に心を込めて大切にします。
映画と映画で描かれる茶道から、日々のありがたさにきっと気づくことができるはずです。
作品概要
日日是好日は2018年の映画です。
原作は森下典子氏の『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』というエッセイです。
主人公の典子役を黒木華、典子のいとこの美智子を多部未華子、茶道の先生(武田のおばさん)を樹木希林が演じています。
大森立嗣(Director). (2018).日日是好日 [Film].『日日是好日』製作委員会
真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょい。そんな典子は母に勧められて、お茶を習うことになった。二十歳の春だった。それから二十四年。就職の挫折、失恋、大切な人との別れ。いつも側にはお茶があった。五感を使って、全身で、その瞬間を味わった。やがて「日日是好日」という言葉をかみしめていく美しき時の流れ。この映画は、内なる自由と生きる喜び、そして、かけがえのない”今”を描く物語である。
映画『日日是好日』公式サイト より引用
上映時間は1時間39分です。
感想
『日日是好日』は茶道を通じて日々の中にある小さな幸せや人生の深い意味を見つけることがテーマになっていて、とても心に響く映画でした。
大森立嗣(Director). (2018).日日是好日 [Film].『日日是好日』製作委員会
茶道の奥深さ
茶道の所作は、理屈ではなく身体で覚え、その中に心を込めていくという――
とても奥深いです。
『日日是好日』では、茶道の一つひとつの動作が丁寧に描かれていて、その所作に込められた意味や美しさが伝わってきます。
最初は形を覚えるだけでも難しいのに、繰り返すうちにその形が自然と心に馴染んでいく――
これは茶道だけでなく、ほかにもいろいろなことに通じる考え方かもしれません。
例えば、何気ない日常の習慣も、心を込めることで特別なものに変わるような気がしました。
また茶道にはマインドフルネス的な要素があるようにも感じました。
茶道の所作やお茶を点てる一連の流れには、心を「今この瞬間」に集中させる力があります。
茶道を通じて、季節のうつろいや自然の変化に気づき、感謝の心が生まれる――
まさにマインドフルネスそのものだと思います。
映画の中でも、登場人物たちが茶室で季節のうつろいを感じながら心を整えていく姿が描かれていました。
それは「日々を大切に生きる」というテーマにも繋がっている気がします。
変わらない日々
変わらない毎日は一見すると単調で退屈に思えるかもしれませんが、じつはそれ自体がとても貴重でありがたいものなんですよね。
茶道は、静かな時間をとおして、そうした日々の尊さに気づけるのかもしれません。。
『日日是好日』では、変わらないように見える日常の中で、実は季節がうつろい、心や身体も少しずつ変化していく姿が丁寧に描かれていました。
日々が「同じようで違う」ことに気づくことで、小さな幸せや感謝を見つけられるようになる――
そんなメッセージを感じます。
私はいつも変わらない日々を変えたい、将来のために今をどう過ごすか、ということ意識して日々を過ごしています。
無駄なことはできるだけ排除して、今できる最大限の努力をすることが正しいと思っていました。
そして、そうしていてもなかなかすぐに成果は現れることはなく、たびたびモヤモヤすることもあります。
映画をとおして、将来のために今を生きることも大事ですが、今現在こうして必死に頑張れる状況にいることを感謝しないといけないとも感じました。
なかなか気づくことは難しいですが、「今頑張れる状況にいること」はとても尊いことなんですよね。
『日日是好日』でも、結果を求めるのではなく、茶道の所作をただ繰り返すことで、やがて心に変化や気づきが訪れる様子が描かれていました。
それと同じように、目の前の一つひとつを積み重ねることで、気づけば大きな成果や成長に繋がっている、なんてこともあるような気がします。
未来を目指して努力することと、今この瞬間の自分や環境に感謝すること――
この二つのバランスが取れたとき、より豊かな日々を過ごせる気がします。
今頑張っている自分を少し誇らしく思いながら、その日々を味わってみるのも大切なことなのかもしれません。
あとがき的なものとオススメ度
映画のタイトルである「日日是好日」という言葉……
この言葉は、文字通りに「毎日が素晴らしい」という意味がありますが、そこには「どんな日であっても受け入れる心」という禅の教えが込められているとも言われています。
日常の中には、嬉しいこともあれば困難もありますが、それらをそのまま受け入れ、それでもなお感謝の気持ちを持つ――
その姿勢が「好日」につながるのかもしれません。
映画『日日是好日』で描かれる茶道の世界も、まさにその考えを表しているように感じました。
大森立嗣(Director). (2018).日日是好日 [Film].『日日是好日』製作委員会
変わらないように見える日々の中で、季節の移ろいや自分自身の成長を感じ、日々の繰り返しが豊かさであると気づく――
それは、「好日」の本質を表していると言えるのではないでしょうか。
今この日常に感謝しなければいけないと感じました。
茶道は深いね。
「日日是好日」のオススメ度は★3.5です!(満点が★5.0です)
茶室から見える風景から感じる、季節の移ろいがとても美しく、茶道の所作と合わさって心が癒されます。
演者の演技もよく、物語にすぐ引き込まれました。
こんな人にオススメ
・自分を見つめなおすような映画が見たい
・茶道の奥深さを知りたい。
・視野が広がるような映画が見たい。
コメント