☆面白い本を探している人に向けた記事
「余命10年」の著者、小坂流加氏の遺作「生きてさえいれば」を読みました。プライム会員やKindle Unlimitedを利用中であれば無料で読むことができます。
次に読む本で悩んでいる方や、本書を読むか迷っている方は、この記事を参考にしてみてください。
作品概要
「生きてさえいれば」は「小坂流加」氏による小説です。
小坂氏といえば、2007年に刊行され、映画化もされた「余命10年」が有名ですが、2017年2月に病気により38歳という若さで亡くなっています。
本書「生きてさえいれば」は小坂氏が亡くなったあとの、2018年に刊行されてた小説です。
物語は、小学6年生の男の子「千景」が、入院中の叔母「春桜」の手紙を、大阪にいる「秋葉」に届けるところから始まります。
時系列が「現在」から始まり、回想で「過去」、そしてまた「現在」と流れていきます。
物語のほとんどは「過去」の描写で、「現在」の描写は、あくまでプロローグとエピローグといった感じです。
感想
読み始めは、登場人物のほとんどを、こういうキャラクターだからそういう言動や行動をしているのかな、と勝手に想像して読み進めていました。
しかも登場人物に対する印象は、なんだかちょっとこういう人は苦手だなとか、好きになれないな、などといった、ネガティブなものばかりです。
これは、登場人物同士がそういった印象を受けあっている描写が多くあるので、キャラクターに感情移入してしまうと、仕方のないことで、著者が意図的にそう仕向けているようにも感じました。
それが、読み進めていくごとに、描写される登場人物の視点が変わることで、登場人物自身の心理描写も加わり、その登場人物の意図や行動の意味が分かっていきます。
すると、だんだん受ける印象も変わっていきます。
現実の世界でも、他人からみたら完璧で素晴らしく見える人でも、本人にしかわからない悩みがあったり、逆に嫌な感じの人でも、その態度にはきちんと理由があったり、愛があったりすることもあります。
現実の人物でも、小説の中の人物でも、その人を深く知り、その人が心を開いてくれれば、好きになって、応援したくなっていきますよね。
本書を読み進めると、最終的にはほとんどのキャラクターを好きになってしまい、応援したくなりました。
本作に登場するキャラクター達、みんな人間味に溢れています。良い面も悪い面もたくさんです。
ちょっと気持ち悪いくらいです(褒め言葉です!)。
この人間味のある登場人物たちが本作の魅力であり、本作を他作品とはまた違った独特ものにしていると感じました。

みんな幸せになってほしい…

春桜の友人の「藤井カヤ」が気持ち悪くて、ひねくれていて、でも一途で、一番の推しです!
オススメ度とあとがき的なもの
「生きてさえいれば」のオススメ度は★4.0です!(満点が★5.0です)
前述のとおり、人間味に溢れる登場人物とその感情の描写は、捉え方によっては本当に気持ちが悪く、リアルすぎると感じるほどだったのと、最初から最後までリアルな展開で、映画や漫画などのフィクションにありがちな大きな事件や奇跡的な出来事が派手に起こるわけでもないストーリーなので、なかなか万人ウケはしないように感じました。
余談ですが同著者の「余命10年」は、本書「生きてさえいれば」と同様に登場人物の気持ちの描写がすばらしい作品です。
「生きてさえいれば」に比べると、人間のマイナス部分の描写は控えめになっているので、こっちのほうが万人ウケすると思います。
「余命10年」もプライム会員やKindle Unlimitedを利用中であれば無料で読むことができます。
「生きてさえいれば」と「余命10年」はどちらも「生きること」をテーマにした作品です。
著者の境遇や執筆時の気持ちを考えると、作品内の言葉や描写に重みが増し、複雑な気持ちになりました。
本書「生きてさえいれば」は著者「小坂流加」氏にしか書けない物語だと思いますので、ぜひ読んでみてほしいです。
こんな人にオススメ
・キャラクターが良い小説が読みたい
・人間味に溢れるキャラクターが好き
・「余命10年」を読んだことがある
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