「本当に自分がいるべき場所って、どこなんだろう?」
ふとそんなことを考えたことはないですか。
仕事に追われる日々の中で、「このままでいいのか」と漠然とした不安を感じたり、都会の喧騒を離れて自然の中で暮らしてみたいと思ったり――。
映画『帰れない山』は、そんな人生の“居場所”について問いかけてくる作品です。
都会で育ち迷いながら生きるピエトロと、生まれ育った山にこだわるブルーノ。
対照的な二人の人生は交差し、すれ違いながらも、お互いの存在を通して成長していきます。
本作には派手な展開はない。
大きな事件も、劇的なカタルシスもない。
しかし、その分リアリティがあります。
観終わった後にじんわりと余韻が残り、気がつけば自分の人生について考え始めている。
そんな一本です。
オススメ度について
このブログでは、映画や書籍のオススメ度を5段階で評価しています。
各評価の基準については、こちらでご確認いただけます。
作品概要

作品名 | 帰れない山 |
監 督 | フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン、 シャルロッテ・ファンデルメールシュ |
主 演 | ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ |
公 開 | 2022年 |
ジャンル | ドラマ |
上映時間 | 147分 |
都会育ちの少年ピエトロは、休暇のたびに山を訪れる両親に連れられ、小さな村で過ごすことになる。
そこで出会ったのが、牛飼いをする同い年の少年ブルーノ。
対照的な二人は次第に友情を深めていくが、成長とともにそれぞれの道を歩み始める。
ピエトロは都会に戻り、ブルーノは山に残る。
やがて再会した二人は、子供の頃とは違う距離感を抱えながらも、お互いの人生を見つめ直していくことになる――。
作品から学べる教訓・人生観(感想)

①さまざまな対比が映し出す人生の選択
本作の最大の魅力は、あらゆる「対比」が繊細に描かれている点です。
- 都会と田舎
- 繊細なピエトロと、たくましいブルーノ
- 目標に向かって進む者と、人生に迷う者
- ひとつのことを極める生き方と、広く学び取る生き方
これらは、どちらが正解というわけではありません。
しかし、それぞれの道を進む二人が、互いの人生をうらやましく思う場面は印象的でした。
山で生きるブルーノは、自由な都会の暮らしに憧れ、都会にいるピエトロは、山での静かな生活を理想的だと感じます。
それはまるで、「隣の芝生は青い」と感じるようなものです。
成長してからも、ブルーノは家庭を築き、ピエトロは自由に旅をします。
人生の形は違っていても、それぞれに欠けているものを感じているのが伝わってきました。

②自分の居場所はどこにあるのか
「今いる場所が、本当に自分の居たい場所なのか?」
この問いは、作中で繰り返し投げかけられるテーマの一つです。
ピエトロは、幼少期には山に憧れましたが、成長とともに都会へ戻ります。
しかし、完全に都会の生活になじめているわけでもなく、再び山へ戻ってきます。
一方でブルーノは、山に留まり続けましたが、経済的な困難や孤独に直面していきます。
二人の姿を見ていると、自分自身のことを考えずにはいられませんでしたね。
都会で忙しく働いていると、ふと「自然の中で穏やかに暮らしてみたい」と思うことが誰にでもあるはずです。
けれど、実際に山で暮らすとなると、それはそれで大変なことも多いだろう、とも感じます。
この映画は、「どこに住むべきか」という物理的な場所の話だけではなく、「自分がどこで、どんなふうに生きていきたいのか」という問いを投げかけてくる作品でした。

なぜこの作品がオススメなのか

①心に響くリアル感
本作が魅力的なのは、そのリアリティにあります。
劇的な事件は起こらないし、すべてに明確な答えが用意されているわけでもありません。
しかし、その分、映画の中の風景や登場人物の感情が、リアルに響いてきます。
②自然の壮大さと厳しさを感じる
本作の映像美は圧巻です。
広大な山々の景色、朝日が差し込む静かな村、雪に覆われた峠道――
どのシーンも、自然の壮大さと厳しさを映し出しています。
これらの映像があるからこそ、ブルーノがこの場所にこだわる理由や、ピエトロが戻ってきたくなる理由が、理屈ではなく感覚として伝わってくるようでした。
総評・まとめ

『帰れない山』は、一見すると地味な作品です。
しかし、じっくり向き合うと、心に染みる要素がたくさん詰まっています。
- 派手なエンタメ性はないが、その分リアリティがある
- 「人生の居場所」について深く考えさせられる
- 映像美が物語をより引き立てている
こうした点から、人間ドラマが好きな人には刺さる作品だと感じました。
『帰れない山』のオススメ度は⭐2です!
独特な魅力があるが、好みが分かれる作品。
刺さる人には刺さるはず!

リアリティのある描写で感情が揺さぶられますが、エンタメ要素はほぼゼロです。
そのため、テンポの良い映画や派手な展開を求める人には向かないかもしれません。

でも、じっくりと人生について考えたい人には、深く響く作品だと思うよ。
こんな人にオススメ

- 人生について考えるのが好きな人
- 自然の美しい映像を楽しみたい人
- 自分の人生について模索している人
私はこの映画を観たことで、自分の人生について立ち止まって考える時間を持つことができたと思います。
もしあなたも、「今の生き方はこれでいいのか?」と感じたことがあるなら、この映画はきっと何かを投げかけてくれるはずです。
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