『孤狼の血 LEVEL2』信念を貫く孤狼と、理性を超えた怪物の壮絶な戦い【映画レビュー】

映画

「どこまで堕ちてでも正義を貫けるか?」

この葛藤に真正面から向き合う刑事が一人。

映画『孤狼の血 LEVEL2』は、正義と暴力、信念と狂気、そのすべてが交錯する極限の世界で、人が“何者”になっていくのかを描きます。

前作の衝撃から3年。

秩序を保っていたはずの裏社会が、再び狂気に飲み込まれていく様は、まさに一秒先が読めない緊張感の連続。

そして、そこに現れる“怪物”と化した男・上林。その存在は、単なる敵役を超え、もはや人間の理性すら超えた「恐怖そのもの」。

スーツを着た正義と、血まみれの理不尽が、広島の街で真っ向からぶつかり合います。これはただの刑事ドラマじゃない。

魂を削る、信念のぶつかり合いです。



オススメ度について
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作品概要

作品名孤狼ころう LEVEL2
監 督白石和彌しらいしかずや
主 演松坂桃李まつざかとおり鈴木亮平すずきりょうへい
公 開2021年
ジャンルクライム、アクション
上映時間139分
原 作柚月裕子ゆずきゆうこ氏による小説をもとにした
『孤狼の血』のオリジナル続編
あらすじ

物語の舞台は、前作から3年後の広島。

暴力団と警察、そしてマスコミの思惑が入り乱れる混沌の中、主人公・日岡ひおか(松坂桃李)は、亡き先輩・大上おおがみの遺志を継ぎ、裏社会の秩序を維持する存在となっています。

しかし、そこに現れたのが鈴木亮平演じる上林うえばやし

かつて暴力団同士の抗争で服役し、出所した彼は、自らの復讐心と狂気を武器に、広島の街を再び血で染めていきます。

やがて、上林の狂気は日岡の周囲を破壊し、警察組織すらも巻き込む一大抗争へと発展。

信念を持って闘う日岡の行く末は、光か闇か。そして、彼が最後に選ぶ“正義”とは――。


作品から学べる教訓・人生観(感想)

①理性を超えた恐怖、“上林”の存在

©2021『孤狼の血 LEVEL2』製作委員会
出典:孤狼の血 LEVEL2

『孤狼の血 LEVEL2』最大の衝撃は、鈴木亮平演じる上林の“圧倒的すぎる存在感”にあります。

彼はただの悪党ではありません。

何をしでかすかわからない、理屈では測れない恐怖をまとった“怪物”。

その不気味さは、「凶暴」とか「冷酷」といった言葉では言い表せない。

もっと根源的な、闇のような何か。

特に、表情や目の演技が圧巻。

しゃべらずとも怖い。動かずとも緊張感が走る。

鈴木亮平という俳優の振り幅の大きさに、ただただ唸らされます。

上林には人間味がない。

でも、だからこそリアル。

理屈の通じない暴力こそが、最も厄介で、恐ろしく、そして現実味を帯びている――

そんな恐怖を、観る側に突きつけてきます。

©2021『孤狼の血 LEVEL2』製作委員会
出典:孤狼の血 LEVEL2

②日岡の信念と葛藤、そして孤狼の目覚め

©2021『孤狼の血 LEVEL2』製作委員会
出典:孤狼の血 LEVEL2

日岡は前作からの成長を見せつつも、その道は決して平坦ではありません。

正義のために“悪”を使う刑事として、日々危ういバランスの中で戦っています。

本作では、そんな彼がさらに深い闇へと足を踏み入れます。

上林という絶対的な悪の前で、自分の信念がどこまで通じるのか。誰を信じ、誰のために戦うのか。

そんな葛藤が、彼を内側から削っていくのです。

最終盤、日岡が下した決断は、大上のような計算された策ではありません。

怒りと憎しみ、そして「許せない」という直感的な感情が彼を突き動かします。

それはもう、正義の名を借りた“個人的な戦い”。

でも、そこには彼なりの覚悟があり、誇りがあり、信念がありました。

あのラスト、狼の演出は象徴的でしたね。

日岡の中に、ついに“孤狼”が目覚めた瞬間だったのだと思います。

©2021『孤狼の血 LEVEL2』製作委員会
出典:孤狼の血 LEVEL2

なぜこの作品がオススメなのか

この作品の魅力は、ただのバイオレンス映画にとどまらない“濃さ”にあります。

  • 鈴木亮平の怪演
  • 松坂桃李の信念と狂気のバランス
  • 村上虹郎、中村獅童らの見事な脇役陣
  • 現代の裏社会と警察組織をリアルに描く脚本と演出
  • そして、観終わった後に残る「これでよかったのか?」という後味

特に刺さるのは、主人公・日岡の「不器用な信念」や「揺れる正義」の部分でしょう。

若さだけではどうにもならない現実。

理想を貫こうとしても、世の中はそんなに甘くない。

でも、それでもやっぱり、信念だけは捨てたくない――

そんな感情に共鳴してしまうのです。


総評・まとめ

©2021『孤狼の血 LEVEL2』製作委員会
出典:孤狼の血 LEVEL2

『孤狼の血 LEVEL2』は、単なる続編という枠を越えた、“魂の物語”です。

暴力描写は確かに過激で、観る人を選ぶ作品ではあります。

しかし、その裏にあるのは、人間の本質に迫るテーマ。

信じるとは何か、正義とは何か、自分はどう生きるのか――。

理屈では語れない恐怖。

計算では届かない信念。

その両極がぶつかることで、映画はただのドラマを超え、観る者に問いを投げかけてきます。

日岡は、大上にはなれなかったかもしれません。

でも、彼なりのやり方で“孤狼”となり、新たな道を歩み始めました。

これは、正義に生きようとするすべての人に向けた、静かなエールなのかもしれません。


孤狼ころう LEVEL2』のオススメ度は⭐3です!

前作同様かなり暴力的で過激な描写が多く、苦手な人は注意が必要です。


 

こうよう
こうよう

暴力描写が非常に強烈で、苦手な方にはハードルが高い内容でもありますが、演技・脚本・演出すべてがハイレベルであることは間違いありません。
特に鈴木亮平の怪演は、一見の価値ありです。

パン
パン

エンタメ感はありつつも、「観たあとにズシンと残る作品」だから、心に余裕があるときに観るのがおすすめ!
“面白さ”は本物。でも、“万人向け”とは言えないって感じだね。


こんな人にオススメ

  • リアルで骨太なストーリーを求めている人
  • 演技力で心を揺さぶられたい人
  • バイオレンス映画が好きな人
  • 信念や哲学的テーマに興味がある人
  • 自分の生き方を見つめ直しているような人

「ヒーローじゃなくていい。ブレながらでも、自分なりのやり方で立っていたい」

そんな気持ちが少しでもあるなら、この作品、きっと刺さります。




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