『ナナメの夕暮れ』オードリー若林が語る“こじらせ大人”の人生哲学とは?【書籍レビュー】

「このままじゃ、ずっと一人かもしれない」。

そんな焦りとモヤモヤを抱えているあなたへ。

自分をちょっとこじらせてしまった大人たちに、そっと寄り添ってくれる一冊があります。

オードリー若林正恭さんが、自意識と不器用さにまみれた自分を笑いながら見つめ直したエッセイ『ナナメの夕暮れ』。

今回はそんな本書を通して、変わること、受け入れること、そして生き方について一緒に考えてみませんか?



オススメ度について
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作品概要

作品名ナナメの夕暮れ
著者若林正恭わかばやしまさやす(オードリー)
ジャンルエッセイ
発行日2021年12月7日
ページ数212ページ
読み終えるまでの目安4時間14分

本書は、芸人・若林正恭さんが6年間にわたり自身の“こじらせた心”と向き合いながら、徐々に世界を受け入れていくまでを描いた集大成的なエッセイです。

特徴的なのは、これまでの「敵視」「斜に構える」姿勢から、徐々に柔らかく丸くなっていく若林さんの心境の変化が、笑いと共に丁寧に綴られている点です。


作品から学べる教訓・人生観(感想)

ずっと、周りの目を気にしないで自分を貫ける人に憧れてきた。(中略)

だけど結論から言うとそういう人間になることを諦めた。
諦めたし、飽きた。

それが不思議なことに、「自分探し」の答えと「日々を楽しむ」ってことをたぐり寄せた。

若林正恭(著)『ナナメの夕暮れ』 より引用

①自分と向き合うことの大切さ

本作を読んでまず感じたのは、「素直に自分と向き合うことの難しさと、その効果の大きさ」です。

若林さんはエッセイの中で、自分が「普通の人を演じていた」ことで、心の通わないつまらない時間を過ごしたエピソードを紹介しています。

その経験を通じて、自分の本音や価値観を押し殺してしまうことが、どれだけ自分を苦しめていたのかを実感していく過程が、とてもリアルでした。

私たちは、忙しさの中で自分の本音を見失いがちです。

今日から、寝る前の5分だけ、「本当にしたいことは?」「何に心が動いた?」と問いかけてみませんか。

スマホのメモ帳に一言書き留めるだけでも、自分と向き合う小さな一歩になります。

週末には、カフェで静かに過ごしたり、散歩しながら心を整理する時間を持つのもおすすめです。

②決めつけはよくない

何事もやってみないと分からない。

本書でも、若林さんが以前は敵視していた存在――たとえばゴルフに夢中なおじさんたち――に対しても、実際にやってみたら違う景色が見えてきた、そう書かれています

そんなエピソードを読むと、「決めつけ」で自分の世界を狭めてしまうのはもったいないと感じます。

私たちも、知らないうちに「決めつけ」で世界を狭めているかもしれません。

今週は、少しでも興味を持てそうなこと、これまで避けてきたことに、ほんの少しだけ触れてみませんか?

たとえば、敬遠していたジャンルの映画を観る、新しい趣味の体験会に参加してみるなど、小さな一歩が新たな発見に繋がるかもしれません。

また、身近な人の意外な一面に気づくチャンスにもなるかもしれません。「どうせ〇〇だろう」という先入観を手放して、相手の話に耳を傾けてみましょう。

③人は変わるし、変わることも悪くない

このエッセイで最も印象的だったのは、若林さん自身の「変化」でした。

以前の著作では「分かってもらえない苦しみ」や「こじれた自意識」に悩む姿が強く描かれていましたが、本作ではそれを受け入れ、丸くなった若林さんがいます。

読んでいて、少しさみしさを感じるほどに。でもそれは同時に、「自分もいつかこんな風に変わるのかもしれない」という希望でもありました。

若林さんの変化は、私たちに「変わる勇気」をくれます。

もし「変わりたい」と思うなら、まずは小さな一歩から。

通勤経路を変えてみる、新しい本を読む、学びのコミュニティに参加してみる――

そんな小さな変化が、新しい自分を引き寄せるかもしれません。

また、周りの変化にも目を向け、「素敵だね」と声をかける優しさも持っていたいと思いました。


なぜこの作品がオススメなのか

①共感する部分が多い

この作品は、とにかく「わかる!」の連続です。

特に、若林さんと同世代である、30代後半から40代の独身男性にとっては、自分探しや社会との距離感、過去への後悔など、共感できるトピックがぎっしり詰まっています。

②若林さんの“ナナメの視点”が魅力的

真っ正面から書かないところがまた良い。

ユーモアや照れが混じることで、重たいテーマでもクスッと笑って読めるのが本書の魅力です。

「ナナメの視点」で描かれるからこそ、刺さるものがあります。

③変化を恐れず受け入れる姿に励まされる

人は変わっていくし、それは悪いことじゃない。

若林さんの変化を通じて、読者も「変わること」を受け入れる準備ができるかもしれません。


総評・まとめ

『ナナメの夕暮れ』は、他人とうまく付き合えなかった自分、自分をどう扱っていいかわからなかった自分に、やさしく寄り添ってくれる一冊です。

「どうせ自分なんて」と思いがちな人ほど、読んでみてほしい。

若林さんの変化は、あなた自身の変化のヒントにもなるはずです。

読後には、自分のことをちょっとだけ許せるようになるかもしれません。


ナナメの夕暮れ』のオススメ度は⭐4です!

完成度が高く、特定のジャンルが好きならより楽しめる作品。


こうよう
こうよう

若林さんの気持ちが素直に、まっすぐ書かれているので、「考えすぎ」「自意識過剰すぎる」と感じる人にはまったく響かない可能性もありますが、刺さる人にはとことん刺さる作品です。

パン
パン

彼の心の中をそっとのぞいているような読書体験ができるよ。


こんな人にオススメ

  • 自分探しの最中の人
  • 生きづらさを感じている人
  • 他人との距離感に悩んでいる人
  • 最近ちょっと疲れている人
  • 人間関係で自分を抑えがちな人

自分の気持ちを押し殺して生きている、そんな「こじらせた大人」にこそ読んでほしい一冊です。



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