狂気の中のリアルな問い『ナイトクローラー』で考える報道とモラル【映画レビュー】

映画

“成功する”って、どういうことだと思いますか?

努力して、頭を使って、結果を出す――

そのはずなのに、それが狂気に変わっていく瞬間を見たとき、私たちは何を思うのでしょうか。

映画『ナイトクローラー』は、成功と倫理、そしてメディアが持つ力の危うさを鋭くえぐる一作でした。



オススメ度について
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作品概要

作品名ナイトクローラー
監 督ダン・ギルロイ
主 演ジェイク・ギレンホール
公 開2014年
ジャンルスリラー、クライム 
上映時間118分
あらすじ

『ナイトクローラー』(2014年公開)は、ジェイク・ギレンホール演じるルー・ブルームという男が、犯罪現場の映像を撮影しテレビ局に売る“ナイトクローラー”として成功を収めていく過程を描いたサスペンス映画です

監督はダン・ギルロイ。

夜のロサンゼルスを舞台に、不穏で冷徹な世界が広がります。


作品から学べる教訓・人生観

① 狂気と成功は紙一重

ブルームの行動は、表面上は成功のセオリーに見えます。

目標を明確にし、行動し、結果を出す。

しかし、次第に「倫理」を捨ててまで成功を追う姿は、狂気そのもの。

成功を目指すときには、”自分や他人を傷つけていないか?”という視点を持つことが重要だということを思い知らされます。

© 2014 Open Road Films. All Rights Reserved.
出典:ナイトクローラー

② 倫理観を忘れた報道の危うさ

テレビ番組の視聴率を優先するあまり、真実を伝えることが後回しにされていく。

ブルームだけでなく、番組プロデューサーのニーナもまた、その過激さを求める側に回ってしまう。

情報を受け取る側としても、”なぜこの映像を見せられているのか”を一度立ち止まって考えないと、こういった傾向は続くのかもしれません。

© 2014 Open Road Films. All Rights Reserved.
出典:ナイトクローラー

③ 視聴者の欲望”が現実を歪める

誰もが「見たいもの」を求めてニュースを見ます。

でも、その「見たい」は、誰かの不幸の上に成り立っているかもしれない。

視聴者側も、情報を選ぶときは過激さや刺激に流されず、多角的な視点を意識する必要があるように思えます。

© 2014 Open Road Films. All Rights Reserved.
出典:ナイトクローラー

④ “成功”という言葉に酔わない

ブルームは自分の成功に酔いしれ、「正しいことをしている」と信じ切っています。

その姿はまさに反面教師。

成功は、誰かを幸せにして初めて意味を持つものだと感じさせられました。

自分の成功が誰かにとっての迷惑になっていないか常に意識しないといけないのです。

© 2014 Open Road Films. All Rights Reserved.
出典:ナイトクローラー

なぜこの作品がオススメなのか

ジェイク・ギレンホールの怪演

この作品は、ただのクライムサスペンスではありません。

社会の暗部、メディアの暴走、倫理の崩壊――

それらをじわじわと描き出す異色の作品です。

ジェイク・ギレンホールの演技はまさに怪演で、どこかズレていて不気味なブルームというキャラクターに命を吹き込んでいます。

ラストまで目が離せない展開と、観た後も心に残る違和感。

それがこの映画の最大の魅力です。


総評・まとめ

『ナイトクローラー』は、成功の裏側にある歪みと、報道の本質を問う作品でした。

主人公ブルームは、まるで現代社会の“自己実現”の象徴のように現れますが、彼の行動は倫理のラインを次々に踏み越えていきます。

彼のような存在を許してしまうのは、もしかしたら私たち視聴者自身なのかもしれません。

この映画が怖いのは、その不快感を“他人事”にできないからです。


ナイトクローラー』のオススメ度は⭐4です!

完成度が高く、このジャンルが好きならより楽しめる作品。


こうよう
こうよう

狂気と倫理を描いたサスペンスとして非常に完成度が高く、ジェイク・ギレンホールの演技も必見です。

パン
パン

ただし、結構クセもあるから一般受けはしにくいかもね。


こんな人にオススメ

  • サスペンス映画が好きな人
  • 現代社会やメディアに疑問を感じている人
  • 倫理や成功とは何か、深く考えてみたい人
  • ジェイク・ギレンホールの演技力を堪能したい人

あなたの価値観を揺さぶる、静かな狂気の物語。

『ナイトクローラー』は、観る人に深く突き刺さる一本です。



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