人はなぜ嘘をつくのでしょうか?
自己防衛のため?
他人を守るため?
あるいは自分自身を欺くため――?
就活という人生の岐路に立たされた若者たちが、嘘と隠し事を抱えながらも内定を勝ち取ろうと奮闘する『六人の嘘つきな大学生』。
彼らの葛藤と緊迫感に満ちた人間関係の中で、嘘がどのような役割を果たすのかを探っていきます。
オススメ度について
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作品概要

作品名 | 六人の嘘つきな大学生 |
著者 | 朝倉秋成 |
ジャンル | 日本文学、ミステリー |
発行日 | 2021年3月2日 |
ページ数 | 305ページ |
物語の舞台は、急成長中のIT企業「スピラリンクス」が初めて実施する新卒採用の最終選考。
そこに集められた六人の就活生たちは、チームでのディスカッションという課題を与えられます。
しかし本番直前、課題は「六人の中からたった一人の内定者を決める」という熾烈なものに変更されます。
仲間でありながらも競争相手となった彼らは、内定をかけた駆け引きに巻き込まれていきます。
その最中に見つかった六通の封筒には、それぞれの名前と「●●は人殺し」との告発文が――。
果たして彼らの「嘘」とは何なのか。そして真実にたどり着いたとき、彼らはどのような選択をするのか。
作品から学べる教訓・人生観(感想)

①嘘と真実が交錯する心理描写
『六人の嘘つきな大学生』は単なるミステリーではなく、嘘というテーマを通じて人間の内面に深く迫ります。
各キャラクターの抱える嘘は、自己防衛であり、他者への配慮であり、時には無意識の逃避でさえあります。
それらの嘘が暴かれたときに見える感情の揺れが、物語に緊張感とリアリティを与えています。
たとえば、ある登場人物は他人を傷つけないために嘘をつきますが、それがかえって人間関係を悪化させることに。
嘘をつくことで一時的な安らぎを得ても、最終的には現実と向き合わざるを得ない――
この現実逃避と自己矛盾の狭間で揺れる彼らの姿には、人間の弱さと強さが表れています。
②嘘は悪か、それとも防衛か?
物語を通して感じるのは、「嘘をつくことは本当に悪いことなのか?」という問いかけです。
嘘が人間関係を壊す一方で、嘘によって守られている関係もあることが描かれます。
実際、私たちの日常でも「本音と建前」のような場面は数多くありますし、誰もが少なからず嘘をついてしまう瞬間があるでしょう。
この作品では、嘘をつく理由が単なる利己的なものではなく、登場人物たちの心の傷や弱さに根ざしていることが強調されています。
そのため、彼らの行動に対して一概に批判することも難しく、共感と疑念が交錯する読後感が残ります。
なぜこの作品がオススメなのか

①嘘や就活といった身近なテーマに共感できる
本作の魅力は、複雑に絡み合った人間関係の中で嘘と真実が交錯する緊張感と、その裏に隠された人間の本質を描いている点です。
また、就活という現実的なテーマが扱われているため、社会人や就活経験者にとっても共感できる要素が多くあります。
②緩急をつけた物語の構成
加えて、物語の構成も秀逸です。
異なる視点で語られる二つのパートとインタビュー形式の挿話が、緩急をつけながら展開します。
これにより、登場人物たちの印象が変わっていくため、最後まで飽きることなく読み進められます。
総評・まとめ

『六人の嘘つきな大学生』は、ミステリーとしての魅力にとどまらず、人間関係の脆さと心理的な葛藤を描き出した深みのある作品です。
嘘が暴かれる瞬間の緊迫感と、それがもたらす人間関係の変化は、まるで現実の人間関係を鏡に映し出したようです。
また、嘘をつくことが必ずしも悪ではないと感じさせる描写が多く、道徳的な価値観についても再考させられます。
人間関係の難しさに悩んだことがある方や、自分の本音と向き合うことに抵抗がある方には、心に刺さる部分が多いはずです。
『六人の嘘つきな大学生』のオススメ度は⭐5、満点です!
誰が読んでも楽しめる傑作。
自信を持ってオススメできます!

登場人物たちの嘘と真実が交錯しながら、彼らの心理描写が丁寧に描かれている点が特に評価できます。

嘘というテーマを通じて人間関係の奥深さを描きつつ、ミステリーとしての緊張感も抜群だね。
こんな人にオススメ

- 人間関係の難しさに共感できる人
- 就活経験者や社会人で、競争社会に身を置く人
- 嘘や隠し事の本質について考えたい人
- ミステリー好きで、心理描写の奥深さを求める人
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