「この世界には、二人だけの幸福があればそれでいい。」
「嘘つき」と聞いて、あなたはどんな人物を思い浮かべますか?
腹黒くて信用ならない人物? それとも自分を守るために仕方なく嘘を重ねる人?
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸』は、そんな「嘘」をテーマにした異色の物語です。
語り手の“みーくん”も、ヒロインの“まーちゃん”も、壊れていて、嘘をついて、普通の価値観からは逸脱した存在。
だけど、彼らが追い求める「幸せ」は、驚くほど純粋で、だからこそ歪んでいて、読んでいるこちらまで価値観を揺さぶられる。
正直、読後感はかなりクセが強い。
それでも最後まで目が離せない、唯一無二の作品でした。
嘘と狂気と不幸の先に、彼らが見つけた「幸せ」とは何なのか。
その答えを一緒に考えてみませんか?
オススメ度について
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作品概要

作品名 | 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版 幸せの背景は不幸 |
著者 | 入間人間 |
ジャンル | ライトノベル |
発行日 | 2023年3月23日 |
ページ数 | 243ページ |
読み終えるまでの目安 | 4時間51分 |
彼女はクラスメイトで、聡明で、美人で、僕の恋人で――誘拐犯だった。
「君を世界で一番×してる。……嘘だけど」
クラスメイトの御園マユ。まず第一に、とてつもなく美人。
他人を寄せつけない孤高の存在。そして、これが大事なんだけど……実は僕の恋人。
――そう、表向きは。
最近、小学生の誘拐事件が街を騒がせているらしい。
僕はずっと不思議なんだ。
マユ……いや、まーちゃん。
君はなぜあの子たちを誘拐したんだろう。
すべての読者を騙し、慟哭と衝撃の真実を突きつけるミステリーが、完全版で蘇る。
【本編の前日譚にあたる、書き下ろし掌編「追憶『あがいても、生きる』」も収録】
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版 幸せの背景は不幸」入間人間 [メディアワークス文庫] – KADOKAWA より引用
作品から学べる教訓・人生観(感想)

きっと彼女は、生きることが楽しくて仕方ないだろう。
どれだけ客観的に不幸でも、誰の目にも哀れだとしても、本人はずっと、あの日から、幸せだけを見つめている。
入間人間(著)噓つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版 より引用
①嘘は悪か? それとも生きるための術か?
「嘘をつく人間は信用できない」とよく言います。
でも、本作を読んでいると、そんな単純な話ではないと痛感させられます。
みーくんは嘘をつく。
でも、その嘘はただの悪意ではなく、「壊れずに生き延びるための防御壁」だった。
まーちゃんは壊れている。
でも、その壊れ方は「彼女なりに痛みと向き合うための術」だった。
人は壊れたくて壊れるわけじゃない。
嘘をつきたくてつくわけじゃない。
生きるために、どうしようもなく必要だった。
そんな二人の姿に、読んでいるうちに「嘘や壊れることを一概に悪と決めつけられない」と思わされます。
②幸せって、誰が決めるもの?
作品を通して強く感じたのは、「幸せ」というものへの徹底した皮肉です。
社会が言う「普通の幸せ」。
結婚して、子どもを産んで、安定した生活を送る。
でも、それが本当に“個人にとっての幸せ”なのか?
みーくんとまーちゃんは、そんな「普通の幸せ」に興味がない。
むしろ、普通に生きようとするほど苦しくなるから、彼らなりの歪んだ幸せを追い求める。
他人から見たら異常でも、自分が幸せならそれでいい。
そう言い切れる強さと痛みが、本作の根底には流れています。
③正しさが、人を追い詰めることもある
「正しい生き方」を押し付けられることほど、人を壊すものはありません。
まーちゃんは正しさの外にいる存在。
だからこそ、読んでいて救われる部分もある。
「正しくなければいけない」と思い込んでいた読者ほど、本作が突きつける皮肉にドキッとするはずです。
なぜこの作品がオススメなのか

①嘘つきな語り手の翻弄ほんろう力がすごい
みーくんの語り口は軽やかで、ユーモラス。
だからこそ、信用してしまう。
でも、その信用が崩れていく感覚が、本作の最大の醍醐味です。
「何を信じればいいのか」
「そもそも信じる必要があるのか」
そんな疑問を抱えながらページをめくる快感は、クセになります。
②壊れた恋愛関係の独特な美しさ
みーくんとまーちゃんの関係は、いわゆる純愛とはかけ離れています。
でも、お互いの壊れた部分を受け入れることでしか成立しない関係には、独特の美しさを感じるほど。
「普通じゃなくても、幸せになれる」というテーマが、痛いほど胸に刺さります。
③価値観が揺さぶられる読後感
「幸せって何?」
「正しさって本当に必要?」
読後にこんな問いがぐるぐる巡る作品は、なかなかありません。
自分の生き方や価値観を見つめ直すきっかけになる一冊です。
総評・まとめ

現実から目を背けるな、なんて傲慢な人間の押しつけに過ぎない。
入間人間(著)噓つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版 より引用
嘘と狂気に満ちた、歪なミステリー。
でもその奥にあるのは、純粋な愛と切実な生存本能。
読むほどに価値観を揺さぶられ、
「普通の幸せ」に疑問を感じている人ほど刺さる作品です。
一筋縄ではいかない物語ですが、だからこそ読後に深い余韻が残る。
そんな作品を探している方に、ぜひオススメしたい一冊です。
『噓つきみーくんと壊れたまーちゃん』のオススメ度は⭐2 です!
独特な魅力があるが、好みが分かれる作品。
刺さる人には刺さるはず!

現実の価値観や常識を皮肉りながら、「生きること」や「幸せ」について深く考えさせてくれる作品で、私にはすごく刺さりました。

自分だけの幸福させあればそれでいいのかもしれないね。
こんな人にオススメ

- 普通の幸せや正しさに違和感を覚える人
- 狂気や壊れた恋愛に惹かれる人
- 嘘と真実の境界が曖昧な物語が好きな人
- 自己成長や人生観を揺さぶられる作品を求める人
- 入間人間作品が好きな人
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