チャドウィック・ボーズマンへ捧げる映画【ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ネタバレなし感想

外国映画

☆面白い映画を探している人に向けた記事

 「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」を視聴しました!
視聴するか迷っている人や、次に観る映画を探している人はこの記事を参考にしてください。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』を視聴 | Disney+(ディズニープラス)
ワカンダの人々はティ・チャラ王の死に乗じた他国の干渉から国を守るために戦う。

作品概要

 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーは2022年の映画です。2018年公開の映画「ブラックパンサー」の続編として制作されました。
 続編制作決定後に、前作でブラックパンサー(ティ・チャラ)を演じた、チャドウィック・ボーズマンが亡くなったことで、脚本を大幅に変更したとのことです。
 物語は、ワカンダ国王であるティ・チャラがが亡くなるところから始まります。国王ティ・チャラを失ったことにより、ワカンダは他国から干渉を受けるようになります。ティ・チャラの妹であるシュリは、親衛隊のドーラらと協力し、ワカンダを守るため、奮闘します。

上映時間は2時間44分です。

感想

登場人物と同じ気持ちに

 ワカンダの国民は国王ティ・チャラの死を悼み喪に服しています。
視聴者もティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンが亡くなったことによる喪失感を同じように感じています。
そういった中で作られた映画は、作品の中でワカンダ国民が再び立ち上がる勇気を与えるだけでなく、作品と現実がリンクし、視聴者にも同様の感情を抱かせます。

ひたすらに感情移入させてくる

 他人は無責任で、自分の気持ちなんて理解できるはずがない、でも理解してほしい気持ちはあるし、そのせいで他人に迷惑をかけてしまい、自己嫌悪に陥ってしまう。
映画の世界だけではなく現実でもあるあるです。
この感じ、本当に共感できます。
本作の主人公はティ・チャラの妹のシュリです。
シュリは、彼の死に責任を感じていて誰よりも悲しんでいるように見えました。
その彼女の言動や行動、感情をとてもよく理解することができてしまって、見ていて苦しくなるほどでした。

ひたすら内輪

 前作以上に、物語自体は内輪でのできごとのように思えました。申し訳程度に国連やCIAが干渉してきますが、ワカンダには手も足も出ません。
本作では新たな登場する国とその勢力との戦いがメインとなるのですが、それでも、焦点はティ・チャラを失ったワカンダと妹のシュリの気持ちの問題がすべてといった感じに思えました。
そのせいで、新たに登場した本来もっと魅力的に描くこともできたであろう設定やキャラクターたちが、おまけのように感じてかすんで見えました。
展開的やシナリオもシュリやワカンダの人々の心情描写に比べて、敵の掘り下げなどのその他の部分がかなりあっさりしていて、深みを感じず物足りなさがありました。

まとめとオススメ度

 本作の良かった点
・感情移入させるシナリオと演出
 イマイチだった点
・唐突な展開と広がりの少ない物語
まとめるとこのような感じになります。

 本作はチャドウィック・ボーズマンの追悼として制作されたような作品で、言葉を選ばずに表現すると、チャドウィック・ボーズマンお葬式映画です。
シナリオも完全にそのために作られたようなものなので、感情移入のさせ方がズルいと思いました。
もちろんそれが悪いとは言いませんが、本作は、彼を失った悲しみや喪失感を乗り越え次に進んでいくための物語で、物語の登場人物も視聴者もそうすべきだと強制されているように感じたのも事実です。

こうよう
こうよう

ずっと現実味がなかったのに、最後の演出はズルい…

パン
パン

つらくても、受け入れて進むしかないんだよ…

 「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」のオススメ度は★2.0です!(満点が★5.0です)
 チャドウィック・ボーズマンを追悼するした作品、という部分を完全になしにした場合に、評価できる部分はあまりないように感じました。
 チャドウィック・ボーズマンを知っている人、特に前作を視聴済みの人にはオススメできますが、それ以外の人にはまったくオススメできません。

こんな人にオススメ

・前作「ブラックパンサー」を視聴済み

・チャドウィック・ボーズマンを知っている

コメント

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